日常崩壊(仮)

□第一章 異変
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霊人があのような事を呟いた理由。
それは簡単なものだった。
『退屈』なのだ。毎日毎日同じような事の繰り返しで毎日に飽きていたのだ。霊人はそれが死ぬまで続くなどと考えていたからあんな言葉が出てしまったのだ。
霊人はまたその事を考え歩いていた。
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それは丁度霊人が四丁目の角を曲がろうとした時だった。
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ギュル…ジュルル…クチャ…
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そんな鈍い音が鳴り響いていた。
霊人はその音に気付くと息を潜め壁に寄りそっと音がする方を覗いた。
赤いフリフリのゴスロリ、赤いブーツ、赤い手袋、赤い長髪。本当に何もかも真っ赤な少女だった。少女は何かを持っているようでそれを両手に持っていた。少女が持っていたモノは“人間”。詳しく言うと“人間だったモノ”である。少女は口を赤く染め“人間だったモノ”を『食べて』いた。
「あー不味かった。」
そんな事を吐き捨て少女は“人間だったモノ”を地面に投げ捨てる。そんな少女を見て霊人の頭によぎる事は一つ。
『そう言えば、最近噂のアレ知ってるか?』不亜が話していた噂。
(アレか?アレなのか?)
完全にパニックを起こしている霊人。いつも冷静な霊人は消え、顔には汗が流れていた。
(これは殺人か?見つかったら俺も殺されるのか?)
そんな事を考える霊人の心の中にふと思い浮かぶ一つの考え。
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【コレは嘘。】
(こんな現実味が無い話なんてあり得るか?いや、世界のどこかであり得たとしても俺のような凡人がこの日本という平和な国でこんな事を目撃するか?
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答えはNOだ。)
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