日常崩壊(仮)

□第一章 異変
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変わらない日常。
いつもと同じ風景。
見慣れた教室。窓から見える野球部。
のぼり慣れた階段。誰もいない屋上。
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「俺…このまま死ぬのか?」
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そんな事を呟く男子高校生、千瀬霊人(チセ レイト)。
「何言ってんだよお前」
霊人の肩に力強く手を置く男子高校生、雪里不亜(ユキザト フア)。
そんな不亜を無視しただただ焼きそばパンをもさぼり食う霊人。
「ちょっ無視すんなよ千瀬!!」
「あっえおまえとかかわうとおくなおおなあおおあし。」(だってお前と関わるとろくな事無さそうだし)
「何言ってっか分かんねぇよ!!あ…そう言えばさ、最近噂のアレ知ってるか?」
「ん…?」
その噂とは四丁目に出没するという人肉を好む奴が人間を殺して食べているという話だった。しかもソイツが魔法少女だとか魔法少年だとか超能力者などの噂だった。霊人の耳にも最近四丁目で死体の発見が多発しているという情報は入っていた。
「悪いけど俺そういう現実味が無い話ってのは信じないから。」
お茶を飲みながら完全反対する霊人をつまらなそうに不亜は口をとがらせた。
「てか“俺…このまま死ぬのか?”っての何だったんだよ」
ようやく焼きそばパンを食べ終わった霊人が不亜にあからさまに嫌そうな顔をする。
「そういうの聞いてたからといって普通聞くか?」
霊人は大きくため息をつくと立ち上がり階段の方へ向かった。
「待てよっ!だって気になんだろ!…あっ!!お前まさか…!」
霊人が肩を下げ振り向くと不亜が震え青ざめた顔をしていた。
「あーもう…何だよ?」
「おっお前病気なのかっ!?」
「は…はぁ?」
「それで死ぬのかっ!?」
何を言っているんだコイツは、という感情をあからさまに顔に出している霊人に気付かず不亜が霊人に抱きついた。
「お前が死ぬまで俺は一緒に居てやるからな!!」
「勝手に人を早く死なせようとすんな。」
不亜が驚いた顔をする。霊人はそっと不亜から離れると 病気じゃないし死にもしねぇから、と言った。
去ろうとする霊人の腕を不亜が掴み止めよとしたがそんな不亜を無視し霊人は階段を降りた。
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