頂き物

□ユグドラシルの樹様頂き物
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リクエスト
『成り行きで料理教室ひらいた織部さん』





まず始めに一言言おう。

ど う し て こ う な っ た ! !

俺の目の前には、筆と紙を構えているかすがちゃん、さっきゅん、お市ちゃん、こじゅ、こた。

「なあ、なんでこうなってんの?」

「だって旦那の作るお菓子、大将達にも評判いいんだもん。」

いやいやいやいや、なんでそこで皆頷くの!?

訳が判らないよ!!

「あー、とりあえず、今から作るのは、パウンドケーキって南蛮の菓子だな。」

そう言えば、皆、紙にささっと書き込む。

いや、これなんて料理教室だよ。

キュー◯ー?今◯の料理?

「用意するのは、小麦の粉、バター、砂糖、ふくらし粉、あと好みで乾燥させた果物とかだな。」

またもメモする皆様。

「んで、バターは常温、つまりこの部屋くらいの温度に置いておいて、少し柔らかくする。

こうしておけば、後々混ぜ易いからな。」

「織部さま・・・・ばたーは、どうやって作る・・・の?」

「事前に俺に声掛けてくれれば、必要な分だけ作るぞ、お市ちゃん」

そう言えば、黒い手がメモする。

うわあ、よく見たらお市ちゃん黒い手含めて三つくらいメモ作ってる。

「えーと、まず、このバターを空気と混ざるようにかき混ぜる。」

言いながら、バターを手早く混ぜる。

「その間に、砂糖を三回くらいに分けていれて、しっかり粒が見えなくなるまでバターを混ぜる。」

がっしゅがっしゅとクリーム状になったバターを混ぜ、次の行程へ。

「その次は、ここに、溶き卵をこれも二回か三回に分けて入れる。

この時、しっかり卵とバターが混ざるようにな。」

最後に、予め振るって、ふくらし粉、つまりは ベーキングパウダーと混ぜておいた小麦粉を入れ、さっくり混ぜる。

小麦粉の玉が残らない様、注意しながらしっかり混ざったら、和紙を敷いた金型の中に生地を流し入れ、中央にくぼみを作って、

暫くオーブンで焼く。

「後は、全体がふくれて来て、焼き色がついたら竹串を刺してみる。

この時、抜いた串に何もつかなかったらちゃんと焼けてる証拠。」

そう言いつつ、串を抜く。

うん、ちゃんと焼けた。

今回は何も入れて無いプレーンだけど、しょくらあと(つまりはカカオ)混ぜたり、砂糖漬けにしたり、干したりした果物を刻んで入れても 美味い。

お店で売ってるような、しっとりしたやつも好きだけど、俺は焼きたての外側カリカリ、中しっとりの方が好きです。

出来立てでしか味わえない味だしね。

和紙を引き出し、四隅を破れば、焼きたてで湯気の立つパウンドケーキ。

何でパウンドとつくかと言うと、それぞれの材料を1パウンドずつ使って作るからこういうんだ そうだ。

少し冷まして、粗熱をとると、適当な大きさ に、輪切り?にする。

さて、皆も居るし、お茶の時間にしようかね。

「で、何だって料理教室宜しく、俺の作るとこ 見てた訳?」

お茶をしながら、さっきゅん達に訊く。

「・・・・・・だってさー、真田の旦那が旦那の所で出た甘味作れって煩かったんだもん。」

「俺は政宗様に野菜を食べてもらおうと思って な。」

「・・・・市は・・・・長政様や、にいさま に・・・・・食べてもらいたくて・・・・・」

「私も、謙信様に召し上がって頂こうと思っ て・・・・・」

「・・・・・・・・・(氏政様が喉に詰めない 様な茶菓子を知りたくて)」

ああああああ、皆それぞれ苦労してるのね。

ていうかゆっきー、君にはあれほどさっきゅんにねだるなって言ったのに。

今度来た時注意しとかなきゃ。

そんな感じで、時間が過ぎて行く、今日の午後。

まあ、たまにはこんな日があっても良いな。

今度は日にち決めて開催しようかな、料理教室。

そう思った、日。






あああああ!!
フェンリル様、こんなに素晴らしいお話ありがとうございました!!

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