おとしたのーと。

□#11 新たな出会い。
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あれから、何度朝が来て夜が更けて。
幾日の刻が経ったのだろう。

何回目かに日が昇った頃に彼等が居なくなってからの日にちを数えるのを止め、何回目かに夜の帳が下りた頃に今の暦を確認するのを止めた。


相変わらず、黒曜ランドには人気の無いままで。
相変わらず、登録された電話番号に掛けても繋がらないまま。


彼と過ごした最後の時に深く抉った腹の痛みは憶えているのに、記憶から薄れて行く。
彼等と過ごした日々を忘れない様にと願うのに、ぼやけて綻んで行く。




「…………、骸…」


抱き締めた小さな温もりが、呼応するかの如く啼いた。




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