おとしたのーと。

□#02 はじめまして。
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「ただいま〜!」

「お帰りなさい。あら緋露、今日はやけに機嫌が良いわね。何か嬉しい事でもあったの?」

「あっ、わかるわかる?」


家に帰った私は、料理をしている母の手伝いをしながら、今日帰り道で見つけた捨て猫と、飼い主になってくれると言った男子の話をした。


「ゴメンね、お母さんが猫アレルギーなんかじゃなければ飼ってあげられたのに…」

「ううん、良いの。それに、いつでも会いに来て良い、って彼も言ってくれたし」

「それは良かったわね」


うん!と返事をすると、お母さんもにこやかに笑ってくれた。






*+*+*+*+*






―――翌朝。


学校休日である土曜日だったので、私はいそいそと出掛ける準備をしていた。


「あら、今日は早く起きたのね」


いつも早く起きてくれれば助かるのに。

と笑うお母さんに、赤面する。


「うー、だって早くあの猫ちゃんに会いたいんだもん…」

「はいはい、」


クスっと笑う笑顔に、


「じゃあ、行ってきま〜す!」

「行ってらっしゃい」


大きく手を振った。








「ホント…緋露は猫が好きね…

それとも、
昨日会ったっていう男の子に…












一目惚れ、かしら…?」





お母さんがそう言っていたのを、私は知らない――




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