おとしたのーと。

□#01 反応。
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「…骸さん、その猫どうしたんれすか?」


緋露から預かった子猫。

共に住む犬や千種に問われるのは、元から予想範囲内だ。


「もちろん、飼うんですよ」

「骸様…?」


理解出来ない、と言うように眉間にシワを寄せる千種に子猫を飼う事になった経緯を話す。


「この前、『涼利 蘭』というようなペンネームで書かれたノートがあったでしょう?アレの持ち主が見つかりましてね」

「「?」」

それと何が関係あるのか、とでも言いたげな視線を2人から向けられる。


「再会した時、彼女が段ボールに入ったこの子猫の前に居たんですよ。で、聞いてみると彼女は家で飼えないらしくて」

「――…で、骸様が連れ帰った、と…?」

まだ眉を寄せ続ける千種に、頷いてみせる。




「――――それに、また彼女に会いたいと思いましてね」


途端に見開かれる、2つの双眸。


「その女、どんな奴れすか?」

「ちょっとドジッ子で、眼鏡っ子です」

「「…………」」

「あぁ、そうですね。優しそうな印象は受けました。僕達とは違って、穢れてない、純粋な瞳をしていましたよ―――って、どうかしましたか?」


僕の言葉に、犬はもちろん、千種までもが口を開けていた。


「あと、彼女の本名は『紅坂 緋露』ですよ。決して"奴"、なんて言わない様に」


コクコク
コクッ



それぞれの頭が縦に振られたのを確認して、僕は自分の割り当てた部屋へと引き上げた。



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