折れた翼は―
□標的10
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俺達は、補習をサボって皆で遊びに来ていた。
「ランボさん、のどかわいた!」
「あー、わかった わかった」
本来は、お父様が帰って来たという事に辟易していらっしゃる十代目の気晴らしに、って事だったんだが、やはりと言うか何と言うか、アホ牛のヤローが居る時点でいつもの様に十代目がお守りをしなくちゃいけなくなった。
十代目の為に遊びに来てんのに、コイツは何を考えていやがるんだ。
そう考えた俺は十代目に、少しの間なら俺がランボを見るって事を提案したんだが、アホ牛本人以外に十代目とリボーンさんにも案を却下されてしまったので、渋々引き下がる事にした。
「すぐ行くね…」
「あぁ。すぐ其処だからな」
「おいアホ牛!十代目の手をそれ以上わずらわせんじゃねーぞ!ーーすみません十代目、それじゃ先に行ってます!」
十代目に見送られながら近くにあったゲームセンターに入った俺達は、手近な所から、と入って直ぐに目に付いた太鼓のリズムゲームからする事にした。
*+*+*
ドゴォォオン
「な、何だ?!」
大きな音と振動が襲って来て、慌てて建物の中から飛び出る。
「十代目ー!!」
「大丈夫か、ツナ!!」
俺は山本と共に、先程十代目と別れた所まで戻る。
モール街の一画に設けられた休憩所は、事態に巻き込まれたのか机や椅子が散乱している。
誰か知らないが、同年代の男に支えられた十代目に駆け寄って、安否を確認する。
「いてて…、獄寺君、山本…」
身を起こした十代目は、取り敢えず無事だった様でほっとした。
「ゔお゛ぉい!! 邪魔するカスはたたっ斬るぞぉ!!」
剣を振り回し暴れ狂う男の斬撃に、辺りは混沌として俺達以外の人間達は我先にとこの場を逃げ去る。
「ひいっ! 何なのあの人、すんげーヤバイよ!!」
目の前に現れたのは、銀の長髪を靡かせる声の大きい男だった。
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