letter for you...

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この返事を書いている今、幾ら日が長くなったとはいえ、既に太陽の面影は無い。
私は空を見上げる事が多いが、最近は雲も厚みを増して、夏が近付いて来た事を感じるな。晴れが続くのは良いのだが、夏は暑いから苦手だ。君は夏と冬だったらどちらが好きなのだろう。私のイメージでは、君は夏の方を選びそうだと思っているのだが。


さて、このやり取りについてだが、手紙の形式に拘らず、交換日記、みたいな感じだと思ってもらえれば良い。もちろん、その日あった事を書くのでも、聞いて欲しい事や聞きたい事があるならそれを書くのでも良い。私の答えられる範囲で返事するよ。



それにしても、元々の君…か。
確かに獄寺が来たのも、山本と君が親密になったのも、君の行動力が飛躍的に上がってからだったな。そうなると君の行動力が高い状態の時の方が良く目に付いてしまうのかも知れない。

私は…正直、今は君の事を計り兼ねている。今までの君と、今の君は色々と差が大きい様な気がするからな。私が見る限り君は元々、極力目立たない様にして、周りの意見に流される事が多かったと思う。それは集団社会の中では当たり前の心理だし、それを咎めるつもりは無い。けれど、そのままだと“個”が無くなってしまうのも事実だ。其処にリボーンが来てもたらしてくれた変化が嫌で無いなら、それに身を委ねても良いのかも知れない。…ま、これも結局は流される事になってるのだろうけれど。

ーーで、私なりの見解だが、前からの君も、今の君も、君の本質が変わった訳で無いのなら、悩む必要は無いと思う。寧ろ君の本心による行動を認めてくれたのだと、そう捉えて良いのでは無いだろうか。…何も、全てに於いてネガティブに捉える必要など無いのだから。



女子とも関わる様になったのは、良い事だと思うよ。同性同士だと触れられない様な、意見や感性にも触れられるからな。…あまり他人に関わらない私が言う台詞では無いが。



ああ、今日、君が普段より真面目に授業を受けているのはしっかり見ていたよ。全く寝ていないって訳では無かったけれど…それでも、良く頑張っていたな。



部活があるからといって、このやり取りが私に負担を掛けている事は無いので安心して欲しい。私もこのやり取りを少し楽しみにしている節があるから、君は気にしなくても大丈夫だ。

残念ながら、君が挙げた名前の中に私の名前は無い。悪いがまた考え直してくれ。それと、一度に三人もの名前を挙げると直ぐに当たってしまうから、次からは一人で頼む。
ちなみに先に出された名前だが、埜田は美術部だから文化部だけれども、他二人は運動部だ。今まで女子と関わりを余り持っていなかったのなら、流石に誰が何の部に所属してるかまでは分からないか…。
そうだな…更にヒントを出すと、教室の中を半分に分けて、廊下側では無く、窓側半分の方の席に今の私の席がある。

さあ、次は当てられるだろうか。






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