letter for you...

□13通目
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「今日は、頑張ってるみたいだな…」

「…何が?」


ポツリ、と呟いた言葉に隣から疑問が飛んできたが、「何でもない」とだけ答えて私は窓の外へと視線を移した。


昨日から七月に入り、いよいよ本格的な夏が迫って来た。外に見えるグラウンドは強くなった日射しを反射して、ただでさえ眩しい視界を更に明るくしている。


(暑くなってくると、思考回路が鈍るし動くのも怠くなるな…)


夏と冬だったら、苦手なのは夏である私。
遠くに見える雲の形が夏を象徴している様で、溜め息を吐きたくなる。

けれどそんな私とは対照的に、いつも授業で寝ているのにも関わらず、今日はあまりその様な姿が見られない人物が居た。

ーーー沢田だ。

全く授業で寝ていないという訳では無いが、それでも普段に比べたら、圧倒的に授業中の睡眠時間が短い。
少しは頑張ってみる気にもなったのかと、私は小さく微笑んだ。





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