letter for you...

□12通目
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リボーンに懇願して、なんとか危機的状況を脱すると、俺はリボーンと京子ちゃんの二人にどうして彼女が此処に来る事になったのかと経緯を聞いた。

聞く所によると、リボーンが午前中から昼過ぎに掛けて用事を済ませ、帰って来る途中に立ち寄った珈琲店で二人は出会ったのだという事で。
その時サイフを忘れていたリボーンに京子ちゃんがお金を貸して、そのお金を返す為に立ち寄って貰ったのだと言う事だった。

しばらく会話をしていると、お茶を持って来た母さんが何を勘違いしたのか

「大変でしょ?こんなダメ息子が彼氏だと」

とか言って変に空気を乱して部屋を出て行ったもんだから、俺が遊ぶ事を提案して、リボーンがロシアンルーレットをするとか言い出し、京子ちゃんがそれに乗ってーー



《ズガンッ》

「!?」

「あ。どうやら死ぬ気弾を装填した様だな」


なんて、恐ろしい事が起こってしまった。





結果。


俺が彼氏だと思われるのがよっぽど嫌だったのか、京子ちゃんは母さんに詰め寄り、その言葉の撤回を求めた。
その時、詰め寄られた母さんが危険だと判断したリボーンは、『リバース1t』とか言うハンマーで京子ちゃんの後頭部を殴り、死ぬ気だった時の記憶を夢だと思わせる事になったのだった。





〜回想終了〜





(あの天使みたいな京子ちゃんにまで拒絶されるなんて…)


優しい彼女すら俺に対してそんな気持ちを持ってるって事は、もう誰も味方なんて居ないんじゃないかとさえ思ってしまう。


(獄寺君だって山本だって、死ぬ気の時の俺を認めてくれたってだけだし…)


本当の俺を見て、それを受け入れてくれる人が欲しいと思った。

ーーーけれど、そんな心の中に、思い浮かぶ人が一人。


(もしかしたら、彼女なら…)


顔も名前も、知らない彼女。

こんな俺に、相談相手になると手紙を送ってくれた人物が思い浮かぶ。


(ホントの俺を、見てくれるのかな)


どうしようもないこの気持ちを、もしかしたら受け止めてくれるんじゃないかって。

そう思った俺は、まだ書いていなかったノートの返信を書く為に、リボーンの眠る自室からこっそりと例のノートを取って来た。




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