letter for you...

□12通目
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「あー、今日は折角ウチに京子ちゃんが来てくれたのに、リボーンのせいで散々だったなぁ…」


午前中に昨夜泊まった田嶋さんが帰り、昨日中に宿題も終わらせていたから、午後はしばらくのんびりとしていたんだけど…




〜回想〜




ベッドの上で寝転がりながら、俺は漫画を読んでいた。

昨日に本人が言った通り、リボーンは田嶋さんが帰った後に出掛けて、しばらく振りのヤツが居ない時間を満喫してたんだ。


「リボーンが居ないと、ダラダラ出来て良いよなぁ…」


ふと、視界に入ったアタッシュケース。


「そういや、リボーンの持ち物ってあれだけなんだよなー?」


リボーンは日常的に俺に武器を向けてくるけど、その様々な種類の銃がその小さなアタッシュケースの中に詰め込まれているという事に不思議を感じて、好奇心に負けた俺は、鞄のロックを解除した。


《カシャッ》

「え!?」


触れた手は、鞄から伸びた手枷に捕らわれる。驚いている間に首まで抑えられてしまい、目の前のドアに映し出された影は、自分の状況を嫌でも物語っていた。


(これって、まさか…!?)

「うわーーーーっ!!」


思わず叫んだ。
だって、そのシルエットはどう考えても…


(ぎ、ギロチン…!!)


このまま呆気無く死ぬのか、と焦り、涙も出て来た所に、音を立てて目の前の扉が開かれる。


「何やってんだ?」

「リボーン!!」


この装置の持ち主が帰って来て、助けを求める。けれど其処へ続けて掛かった声に、俺は動きを止めた。


「こんにちは」


その声の主は、紛れも無くーー


「きょ、京子ちゃん!!?」


俺の憧れの人、笹川京子その人だった。




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