letter for you...

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「母さん、風呂空いたよ」

「あら、じゃあ私も入ってくるわね」

「あ、はい。分かりました」


入浴後、しばらく奈々さんと談笑していると、私の後に風呂に入った沢田が髪を拭きながらリビングへとやって来た。その足元には、彼と一緒に入浴していたリボーンが居る。

彼等と入れ違う様に奈々さんが部屋を出て行き、部屋に居るのは私と沢田、リボーンの三人になった。


「あー、サッパリした。俺、今から麦茶飲むけど、田嶋さんも何か飲む?」


沢田がそう聞いてきたので、私はそれに首を振って答える。


「いや、さっき奈々さんにお茶戴いたのがまだあるから御遠慮しておくよ」

「そっか、分かった」


それだけ言ってキッチンへと消えた沢田の姿を目で追っていたが、私の方へと近付いて来た存在に気が付いて、其方へと目を向ける。


「楽しそうに話していたみたいだな。一体何を話してたんだ?」


リボーンだ。今は先程までの探る様な視線ではなく、純粋に興味を持って訊いてきている様だった。


「奈々さんとの話?食事の時は君や沢田が居たから話せなかった事、かな。私の母の話とか聞いても、君達は話について行けなくて楽しく無いだろう?」


今まで、奈々さんと私は会う事はそれなりにあっても二人きりの時など先ず無かった。それは大体、その場に私の母が居たからだ。

なので先程は、普段聞く事の出来ない私の母の話を聞かせて貰っていたのだった。


「そうか?オレは薫に関係ある事なら興味があるがな。お前の母親ってのは、どんな人なんだ?」

「んー、良く笑って、良く泣く人だよ。褒める所は褒めて、叱る所は叱ってくれる。それにちゃんと私の意見も聞いてくれるんだ。…まあ、少々私を置いて遊びに行く頻度が高いのは問題かも知れないけどね」


正直に、そう答えた。
思春期であり、反抗期である世代の私が言う台詞では無いかも知れないが。


「ーー良い母親なんだな」

「ああ。自慢の母親だ」


小さく、口元に笑みを浮かべた。






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