letter for you...

□10通目
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「お、終わった…」

「お疲れ様」


数学の教科書問題に英語のワーク、理科のテキストといった出されていた週末課題を終えたのは、課題に取り掛かり始めてから2時間程経った頃だった。


「手伝ってくれてありがとう。田嶋さんのお陰で、初めて土曜日中に宿題終わったよ!」

「どういたしまして。でも宿題が終わったのは私の力じゃない。沢田が頑張ったからだ」

「そ、そっか…でも、ありがと…」


真っ直ぐに俺へと向けられた微笑みに、自然と顔が熱を持つ。恥ずかしくて僅かに視線をそらした先にいたリボーンに「ツナだけじゃ終わらなかったよな」と嗤われたけど、俺は反論出来なかった。




「ツっ君、薫ちゃん、宿題終わった?」

「う、うん」


ひょっこりと顔を出した母さんに、吃りながらも返事をする。どうやら母さんは田嶋さんにお風呂を勧めに来たらしく、その事だけ伝えるとまた一階へと戻って行った。


「ーーじゃあ、先にお風呂戴くけど良い?」

「うん。ゆっくり入って来なよ」


「ありがとう」と一言礼を言ってから、田嶋さんは荷物を持って部屋を出た。







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