letter for you...

□6通目
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「ーーーーい、起きなさい薫!」


がばっ


「…お、お母さん……?」

「薫、今何時だと思ってるの?」

「え、ぇ…?」


大声で呼ばれた自分の名前に飛び起きると、眼前には自らの母親の姿があった。

外を見ると既にある程度の高さまで日が昇った所らしく、夏目前のこの時期に相応しい強めの陽射しが室内に降り注いでいた。

ーーー普段、自分で起きる時間だったら、こんなに日は高くない。


「、っ?! と、時計…っ!」


慌ててベッド脇の卓上にある目覚まし時計を手繰り寄せると、表示される時間に目を疑った。


「ち、遅刻だぁあああ!!」

「静かになさい!」


溜息を吐いて部屋を出て行った母が残して行った一言に絶叫を止め、クローゼットに掛けてあった制服に着替える。

顔を洗い、髪を解かして身仕度を終えた私は朝食も食べずに「行って来ます!」と一言告げて家を飛び出すと、並中へと走った。



時刻は既に、校門が閉められる五分前の事だった。





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