letter for you...

□3通目
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本日も何事もなく下校時の放送という最後の仕事が終わり、残るは帰宅するだけとなった。



(返事は…あるのだろうか)



昨日の今日で、あんな突然の意味不明な手紙に返事をくれるとも思ってないが。

だが、もしかして…

という気持ちがあるのも事実だ。



(えっと、沢田の下駄箱は…っと、)



自分の物ではない下駄箱を開けてもそれを怪しむ様な目が無いのは、今がとっくに生徒達が帰った後であるからであろう。

お陰で一昨日も、誰にも見られる事なく沢田の下駄箱に手紙を入れる事が出来た。

ーーこれも、並盛のトップとして君臨する一人の先輩による影響なのだと思うと、少し笑ってしまうが。

完全下校時刻を越えて校内に居る事は、そのまま「咬み殺す」が口癖のあの人に制裁される事を意味する。

だから私も、放送部の仕事が終わり次第、速やかに帰る様にはしている。



(それでも、若干遅れてしまう事もあるが…)



あの時は危なかった、と ひと月程前に受けた恐怖を思い出し、身を縮こまらせた。


そうこう考えてる内に、視線は目的の物を捉え、ゴクリと唾を飲み込んだ。


(……もし何も無かったら、明日も覗いてみれば良い。一週間待つ、とあの手紙には書いたはずだ)


扉を開ける為、手を持ち手に引っ掛ける。

一瞬の躊躇いはあったものの、此処まで来たら、と一息に扉を開け放った。







「ーーーー………え…」







そこには彼の靴しか無い物だと予想していたのに。

寧ろ、私が昨日入れた物がそのまま入っているかも、とすらと思ったのに。



望んでいた“それ”は、ある事が当たり前かの様にそこに置かれていた。







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