letter for you...

□2通目
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拝啓、手紙の貴方へ。



お手紙ありがとう。



本題に入る前に謝っておきます。

ちゃんとした便箋が無くて、ルーズリーフになってしまってごめんなさい。

しばらくは、ちょっと事情があって便箋を買いには行けないと思うから、今回と同じ様になると思います。



…なんか敬語で書くの難しいから、悪いけどタメ語で書かせてもらうな。



最初は宛先も差出人の名前もないから、他の人に宛てた手紙なのかと思ったよ。

でもそれは思い違いだったんだと、読んでようやく分かったんだ。



結構いきなり言うんだね…

読み始めた瞬間、息が止まるかと思ったよ。



でも、心配してくれてありがとう。

そんなに俺は、疲れを顔に出してたかな?

確かに最近、家でもあまり落ち着く事が出来ないようになって、疲れが溜まってたかも知れないな…



此処からは愚痴になるから、あまり気にせず聞いて(読んで?)くれると嬉しい。



この前、いきなり大人びた赤ん坊が「俺はお前の家庭教師だ」とか言ってやって来たんだ。

最初は俺も意味が分からなくて笑ってたんだけど、その赤ん坊、すごく力が強くて俺の腕をひねり上げたんだよ…!

母さんに聞いたら、家庭教師を雇ったのはホントらしくて、その赤ん坊…リボーンって言うんだけど、そいつが俺の部屋で住み込むようになったんだ…

毎日帰ったら「宿題しろ」って脅されるし、寝る時は部屋に リボーンが眠りを邪魔されないようにってなんか物騒な仕掛け施されるし…

他にも、事ある毎に「いっぺん死ぬか?」って脅されるんだ…

笑いたい所だけど、実力がある分、タチが悪いよ…



……変な話だろ?

赤ん坊に敵わない中学生、なんてさ。

可笑しかったら、笑って良いよ。

でも、今の俺には、これが現実なんだ。



ーー此処まで読んでくれてありがとう。

あまり話せる様な相手が居ない内容だから、名前も聞いてない君にぶちまけちゃったよ。

というか、俺は君の事、名前どころかクラスも性別も分かってないんだよな…

持田先輩の事を「先輩」って言ってるから、同学年なんだろうなー、とは思ったんだけど。

良かったら、出来るだけで良いから君の事も教えてくれないかな?

俺だけ相談に乗ってもらうってのも悪いし、良ければ俺も、君の相談に乗らせて欲しい。

なんて我儘かな?



それじゃ、今回は此処ら辺で。





敬具。


沢田綱吉より。




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