七日間のキセキ。〜終章〜
□君に会う為の
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「ふぁ〜ぁ、」
「十代目、お休みになりますか?」
「あー、もう少ししてからにするよ。仕事後に回して溜めると、またリボーンに怒鳴られちゃうし」
「…そうですか。まぁ、無理はしないでくださいね」
「分かってる。じゃ、おやすみ獄寺君」
「おやすみなさい、」
ふぅー
パタンと閉められたドアの音の後、遠ざかる靴音を聞きながら、俺は長い溜め息を吐いた。
「――…、体力的に疲れてるのはもちろんだけど、ずっと休みが無い分、精神的なのもキてるんだよなぁ…」
こういう時は、気分転換が1番だ。
俺はデスクの引き出しを開け、その中奥深くに手を突っ込んだ。
「ん〜、確かココら辺に……、
あ、あったあった、」
取り出したのは、手のひらサイズの小さな箱。
ボンゴレの紋章を頂くソレは、特注で作らせた物。
まぁ、今入ってるモノを入れる為に作らせた訳じゃないんだけど。
鍵を掛けたこの箱に入れてから、中身を見る事は無くなった。
――いや、
正確に言うと、"見なくなった"が正しい。
何度もコレを見る度に、甘い感情とそれ以上に苦い思いが込み上げるから。
だから今は箱をそっと撫でるだけ。
箱じゃない。
本当に鍵を掛けたのは、
俺の心だ。
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