七日間のキセキ。〜終章〜
□溢れたのは、
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行きは軽い足取りだったのに対し、
帰りの足取りは今まで無い位に重い。
「…こんなに家って遠かったっけ……、」
よく居候のチビ達を連れて行く公園からの帰り道。
何も変わる事の無い、いつも通りの道。
――本来、隣に居てこの道を歩いているはずの彼女が居ないだけで。
「おせーぞ、ツナ。一体何時だ、と…」
ようやくたどり着いた玄関先に待ち構えていたリボーン。
でも、俺を目にした瞬間に叱責の声を止めた。
「……ツナ、羚はどうした?」
「、っ……………」
泣きたい衝動に駆られながらも、数分前に起こった出来事を話した。
「………そうか、羚は居るべき場所に帰ったんだな、」
確認とも、自身を納得させる為とも取れる言葉。
それは、俺の胸に鋭い痛みを走らす。
「……羚ちゃんの居場所は、此処だろ。なんで他の所に行かなきゃなんないんだよ、」
ホントは分かってる。
羚ちゃんが居るべきなのはこの世界じゃなくて、元々彼女が生きていた世界。
でも、それだけじゃ納得出来ない俺が居る。
「……とにかく、ママンには『羚の親が見つかった』って事にしておくぞ」
冷たい夜風の中に立ち尽くす俺を置き去りにしたまま、リボーンは家の中へと入っていった。
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