七日間のキセキ。
□突然なんて、残酷。
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「羚ちゃん!?」
「―――…え?」
始めは、あまりにも突然の事過ぎて。
その次は、理由が分からなくて。
俺は唖然として立ち尽くした。
だって、
なんで、
俺――――
「透けてるんだろ…?」
傾いた太陽によって、長く伸びる影。
ツナや電柱、木や滑り台の影は、"黒"。
対して俺の影は、ぼやけた"赤"。
ゆらゆらと揺れる影は、薄くなったり濃くなったりを繰り返す。
――あぁ、もしか。
「"家"に、帰れるのかな、」
「、っ」
ツナの唾を飲む音が聴こえる。
――まだ、此処に居る。
「ねぇツナ、」
まだ、
「一緒に遊びたい!一緒に笑いたい!一緒に泣きたい!一緒に――一緒に、居たいよ!」
溢れ落ちる涙は、とめどなく。
近くにあるはずの、君の存在を確かめたくて。
おもむろに、半透明な手を伸ばした。
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