七日間のキセキ。
□お見舞い
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ダダダダダダダダダダダ
――――ダンッ!!
「ぅわっ!!―――…って、え……ツナ?」
「ハァ、ハァ」
急に凄い音を立てて開け放たれた扉。
膝に手を付き、荒い息を整えているその姿は数日前と同じ様で、わずかに異なる気がする。
「…ツナ?」
もう随分と楽になった身体を起こし、入り口から少ししか入っていない彼へ寄ると、違うと思った理由が分かった。
「ツナ、何を焦ってたんだ?」
そう。
覗き込んだ彼の表情から窺い知れるのは、焦り。
でも、俺が一度顔を見せれば、おもむろに表情を和らげていった。
「………良かった、」
「ツ、ナ?」
「俺さ、羚ちゃんがまた何処かへ行っちゃうんじゃないかって、心配になったんだ」
盛大に吐かれた溜め息。
同時に肩の力も抜かれる。
その事に、少し安堵。
「…俺は、此処に居るよ」
「…………うん。でも、何か羚ちゃんと一緒に居れる時間がもうすぐ無くなっちゃう気がしたんだよね」
「そっか、」
俺はその時、ツナの言葉を本気で取らなかった。
だってそれはただの"感"でしか無く、何の根拠もない曖昧なモノだったから。
―――もし。
俺が"超直感"と呼ばれる物を知っていて、かつそれを信じていたなら。
俺は、あんな最期を迎えなくて良かったのだろうか。
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