七日間のキセキ。
□助っ人
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「―――…何で、」
「ん?」
ライモンは、顔を歪めたツナを見る。
「何で、そんな事をお前に言われなきゃいけないんだ」
ツナの心中で、渦巻いている。
なんで。
どうして。
羚は自分を偽っていたのか。
自分に話してくれなかったのか。
脳内で、意味を成さない言葉の羅列が螺旋を描く。
「ハハハッ――そうか、テメーは性別さえも教えて貰ってなかったのか。憐れだな」
「、っ」
「まぁ良い。お陰でお前は―――
スキだらけだ」
拳銃に掛けられていた指が、引かれた。
「――な!?」
引かれた引き金。
飛び出した銃弾。
それらは迷わずツナのもとへと辿り着くはず、だった。
しかしそれは叶わず、ツナも赤を流してはいない。
死ぬ気が溶けたツナの目の前にあるのは、
「――…沢田綱吉、何を固まっているんだい?コレが終わったら君も―――
咬み殺す」
学ランをたなびかせ、自分を背に守るように立つ、雲雀だった。
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