七日間のキセキ。

□罠
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ゴスッドゴッ



「ぐっ―――」

腹部や背中。

外からは見えない位置に叩き込まれる、ブーツのつま先。


「さっすがに可愛い女の子の顔を傷付ける訳にはいかないからねェ、羚ちゃん?」

薄笑いを浮かべる男の顔は、酷く歪んでいる。


「――ツナ、は、来な―――ぐはっ」

俺の言葉を聞く度、男達は蹴りを入れてくる。


「来るさ」

「来、ない、よッ――弱虫のツナが来る訳、無い」

痛みに顔を引きつらせるも、目は逸らさない。


「いや、―――来る」


ツナは臆病。

弱虫。

すぐ逃げる。


―――俺と、一緒だ。


共に過ごしたのは数日。

でも、

授業中、休み時間、帰り道、家の中。

毎日長い時間、一緒に居た。

まだまだ知らない事はたくさんあるだろうけど。



「――ダメ、ツナ、が、あだ、名の奴が、か?」

笑わせんじゃねーよ。


そう言って俺は笑う。

――痛みで笑えているかどうかも判らないが。



「クククッ―――ハッハッハッハッ!!


いきなり高笑いし出した男。

何が可笑しいのかと睨み付けると、


「お前、本当にそう思ってんのか?」

真剣になった男の言葉に、動揺する。

「ツナ、は、一般人、だろ」

薄々、もう気付いては居るんだ。

「やっぱ、教えて貰ってねェんだな?」

やめろ。
やめてくれ。

「沢田綱吉はな、

























マフィア、
ボンゴレファミリーのボスだよ










目の前が、真っ暗になった。







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