七日間のキセキ。
□電話
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「―――なぁ、葉月帰って来るの遅くないか?」
山本が言い出したのは、リボーンの話も終わり、獄寺君達と敵対勢力への対策を立てている時だった。
「そうだね。何かあったのかな?」
「雨も降ってますし、ゆっくり帰って来るんじゃないですか?」
窓の外を見ると、真っ黒な雲が空を覆い、激しい雨を降らせていた。
―――あれ?
そういえば羚君って傘持ってたっけ…?
帰り道の彼の持ち物を思い出すと、持っていなかった様な気がしてくる。
「たぶん羚君、傘持ってなかった…!どうしよ、この雨じゃ帰って来れないよね!?」
俺、迎えに行ってくる!――と部屋を飛び出した所だった。
プルルルル―――
「ツっ君〜〜!!今、手が離せないから電話取ってくれる〜?」
家の固定電話が鳴り、料理中の母さんの呼ぶ声がした。
「分かったよ!
(あぁ〜もう!急いでるのに!!)」
プルルルル――
プルル《ガチャッ》
「、もしもし!?」
心の中で悪態をつきながらも受話器を取る。しかし、
《――――――》
電話の向こうからは静寂が返ってくるだけで、更にイライラが募った。
「イタズラ電話なら切りm《ドカッ「ほら、早く言え!!」》――!?」
切ろうとして言った途中、聞こえてきたのは鈍い音と男の声。
そして。
《「―――――……ツ、ナ……」》
今迎えに行こうとしていた、
羚君の声だった。
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