七日間のキセキ。
□至近距離
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誰かに身体を揺らされ、重たい瞼(まぶた)を開ける。
視界に入ってきたのは、ツナの顔(どアップ)だった。
「〜〜〜〜っ!??」
驚いて飛び上がろうとすると、座っていた椅子に足を引っ掛けて後ろへ体が傾く。
襲ってくるであろう衝撃に目を閉じると、誰かに肩を引き寄せられ、上下が反転した感じがした。
ドンッ!!
大きな音がしたが、一向にその衝撃はやって来ない。
不審に思って顔を上げると、
「―――……やま、もと…?」
「間に合って良かったのな」
安心させるように笑う、山本の顔があった。
「あ、ゴメン。山本―――大丈夫?」
どうやら下になってくれたらしい彼の上から退いて、「ありがとう」と立ち上がってもらう為に手を差し出す。
山本はその手を少し戸惑いつつも掴んだが、あまり此方に体重をかける事をせず、ほぼ自分の力だけで起き上がった。
「――山本、俺にお前を起こす程の力も無いと思ってるのか?」
不服に思い尋ねると、
「葉月ってさ―――
女、だろ?」
耳元で小さく、ささやかれた。
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