七日間のキセキ。

□寝顔
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朝食を取り終えた後、まだ起きて来ないツナを起こして来いとの命令がリボーン(何時の間に帰ってきたのか不明)より下されて、渋々ながらもツナを起こしに2階へ上がる。



彼の部屋に入ると、やはりまだ夢の中のツナが居た。

寝ている間に蹴飛ばしてしまったのか、掛け布団はずり落ち、寝間着も捲れ上がって腹が少し見えている。
無防備な寝顔は幸せそうに口角が上がっていて、癖のある髪は寝癖なのかそうでないのかは判らない。

気持ち良さそうに寝ているツナには悪いが、何分、俺の命が掛かっている(先ほど某赤ん坊に銃を突き付けられた)ので起きて貰わねばならない。


「ツナ、起きろ。
――ツナ、ツナ!!


肩を掴んで揺すり動かすが、「う〜〜」と唸るだけで起きそうに無い。

……こうなったら最後の手段だ。






「―――沢田綱吉、早く起きないと、












咬み殺sぅわっっ!?

リボーンに教えて貰った通りに、昨日初めてお目に掛かった誰かさんの真似をしてみると、ブルブルと身体を震わせて、目的の人物は飛び起きた。


「おはよう、ツナ」

「え?あ、お、おはよ、羚君…」

少しの間焦点の定まらなかったツナは、俺を見ると想像していた人物で無かったからか、安心したように一息ついた。





「…安心してる所悪いけど、早く用意しないと遅刻するぞ」

部屋の出口へと歩を向けつつ言うと、背後から断末魔のような悲鳴が聞こえた。

しかし、俺にはどうする事も出来ない為(まぁ、2日連続で遅刻するのが嫌だという事もあるが)、ツナを置いて、1人で登校する事にした。





―――2日連続、登校する道中、俺の隣には誰も居ない。

そうなっている原因が自分にあるのは分かっている。

でも俺は今、ツナと2人きりで居られる自信は――無い。


まともに目を合わせようものなら、

きっと……





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