七日間のキセキ。
□寝顔
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ズ――――ン
一言で表すと、
今の俺はそんな感じだろう。
「おはようございます…」
結局、一睡も出来なかった気がする。
カーテンの隙間から見えた光で朝になった事を知った俺は、もう寝るのを諦めて起きる事にした。
朝食かお弁当、どちらの物か分からないが、良い香りがある場所から漂ってくる。
その根源であろうキッチンを覗くと、予想通り、奈々さんの料理している後ろ姿があった。
「――あ、羚君、おはよう。今日は早いのね、
――――――って、どうしたの!?」
振り返って俺の顔を見た奈々さんは、驚きに目を見開いて、持っているお玉を落としてしまった。
「大丈夫!?
今日は凄く疲れてる顔してるけど……」
きっと奈々さんは目の下の隈を見て言ったのだろう。あと、俺全体の雰囲気か。
「大丈夫ですよ。ちょっと夜に寝付けなかっただけなので。俺、少し寝不足なだけで大袈裟な位に隈が出来てしまうんです」
パタパタとスリッパを鳴らし、やって来た奈々さんに、顔等を触られながら言う。
隈が出来やすいのは本当だが、大丈夫かと言う質問の答えは"No"だろう。
ただ心配を掛けさせたくないが為に言った答えであり、実際はかなりしんどい。
だって一睡もして無いんだし。
「そう…?なら良いんだけど……」
少々、と言うかかなり納得していない奈々さんに「ご飯の仕度、手伝いますよ」と言って渋々ながらも料理に戻ってもらった。
ちなみに俺は、「やっぱり体調悪そうだから朝くらいは休んでて」と言う奈々さんの言葉に甘えさせて頂く事にした。
――まぁ、反論した所で休まされるのが落ちなのだろうが。
俺はリビングのソファーに座り、テレビを付けた。
ちょうど天気予報も終わった所らしく、今日の星座運勢が画面に映し出される。
――自分の星座は6位だった。
ちなみに、最高運勢が5の、総合運は3、金運3、健康運2で恋愛運5だ(なんてビミョーな…)
その後のニュース等は興味が無かったし、奈々さんの「朝ご飯食べましょう?」と言う声に反対するはずも無く、テレビを消してダイニングへ移動する。
テーブルの上に並んでいたのは、白いご飯に焼き魚、味噌汁とおひたしだ(これぞ日本の朝食!?)
ただ、俺の要望により、飲み物は牛乳なのだが。
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