七日間のキセキ。

□金髪の彼
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―――ディーノさんは今晩、沢田家に泊まるとかで、ツナや俺と一緒に帰宅した。

俺は正直、ホッとした。

帰り道、山本と別れ、獄寺とも別れれば、必然的に俺はツナと二人っきりになってしまっていた。

だけどディーノさんが居る事で、不自然さを頑張って隠す必要も無くなったのだ。

ちょっと利用した感じになってしまったけれど、それは仕方が無かったという事で納得して置こう。




「ツっ君〜!
ランボ君達とお風呂入ってくれる〜?」

「わかった〜」


夕食も終わり、少しチビ達と遊んでいた所に、階下から奈々さんの声が掛かかった。


「ディーノさん、先にお風呂入って来ますね。
羚君も、後にしちゃってゴメン」

「おう。ツナはチビ達も入れなきゃいけねーから大変だな」

「良いよ。ランボもフウ太も待ってるから、早く行ってやりなよ」

「ありがと、羚君」




ツナが笑って出て行くと、

「なあ、羚、」

真剣な面持ちをしたディーノさんが顔を寄せてきた。


「―――何ですか?」

他の人に聞かれたくない話なのかと思い、声を潜める。


「リボーンから聞いたんだが、

お前って――――






















""、なんだろ?」






「―――――そう、ですよ」


否定の言葉なんて言えない。
俺が""なのは今の所リボーンしか気付いて無かったが、事実である。
リボーンは『誰にも言うな』って言ったけど、何故ディーノさんには言ったのだろうか…――?


「まぁまぁ、そう構えんなって」

先程の様に乱暴では無く、ポンポンと叩く様に頭にのせられた手。

ツナよりも大きなそれは、しかし俺の体温を上げる要素にはならない。


「でも、羚も大変だな」

ふと紡がれた声に、下がっていた視線を彼に戻す。

その表情は、少し困っている様にも見える、笑顔。


「――…ディーノさ「ガハハハ!羚、オレっちと遊ぶんだもんね〜!」

静かな雰囲気を、突如として破る声。

その原因であるランボは、ツナの部屋に入って来るなり俺に飛び付いた。

「ん〜、なんか、やわらかi「ランボ」

胸の辺りに顔を埋めるランボの台詞を、低くした声で遮る。


こんな事でツナに知られる訳には…――


小さな体を脇の下から持ち上げて、自分の身体から離す。
それと同時に、ツナはやって来た。


「こら!ランボ、もうお前は寝なきゃダメだろ!!」

(…良かった。気付かれては無いみたいだな…)




少し気を抜いて出た溜め息は、

誰に聞かれるでもなく、

空気に溶けて消えた。





→あとがき。
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