七日間のキセキ。

□気付いた
2ページ/3ページ




「―――……ツ、ナ…?」


どうして?
そんな言葉がまず初めに浮かんだ。

もしかして、俺を追い掛けてくれた?


膝に手をついて肩で息する彼が、
とても愛しい。





―――――愛しい……??





(え、俺、何思ってんだ!?)


いきなり湧き出た気持ち。
でも、それを否定するのは違う気がする。

だってツナは男で、俺h「羚君、」


思考回路は一時中断し、声の主を見る。


「まだ昨日来たばかりで何処に応接室あるか、分からないんじゃないかと思って追って来たんだけど……」


やっぱり迷ったでしょ、なんて君は笑う。


「――ほら、応接室までは案内するから」


差し出された、手。


自分の気持ちに気付いてしまった今、その手を掴む事が躊躇われる。

今まで性別なんて、気にして来なかった俺が悪いのかも知れないが。


「――――?」


少し首を捻った彼は、急かす様に俺の手を掴み、立たせた。


「ほら、行こう?」




優しい空の様に笑って、ツナは駆け出す。













――――俺の手は、繋がれたまま。






.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ