七日間のキセキ。

□並中風紀委員
2ページ/2ページ















ガキンッ














やけに高い、金属同士がぶつかり合う音が周囲に響き渡った。



「………」

「済まねーが、トンファー下ろしてくれ」

思わず閉じていた目を、ごく最近から聞き慣れた声がした為に開ける。



リボーン!!

小さな彼は、口の端を上げる事で応えた。



「……ねぇ赤ん坊。何でそいつを庇ったの?」

口をとがらせた学ランの彼は、俺を一瞥する。

「羚は、ファミリーだからな」

「――へぇ、あの草食動物のね…」

ニヤリと笑い、目を細める。

「じゃあ、また咬み殺す奴が増えたね」

楽しそうに。

「まぁ、今回は見逃してあげる」

何かを企んでいるように。

「――次の時は、もちろん君も戦ってくれるよね?」

期待してるよ、と言って去って行った…。













「リボーン、助けてくれてありがとう」

小さな赤ん坊に助けられるなんてな、と自虐的な笑みを浮かべる。

「あぁ。
――ところで、行かなくて良いのか?」

「え?……え〜っと……」



《キーンコーンカーンコーン…》



始業のチャイムで、リボーンの言葉の意味を知った。

「うわっ!!もう1時間目始まった!?」

じゃあなッ!と俺は手を挙げて、全速力で校舎へ走った。




「―――アイツ、雲雀から逃げようとしなかったな」


リボーンの呟きは、誰に届く事も無く、宙に消えた。






.
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ