七日間のキセキ。
□並中風紀委員
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ガキンッ
やけに高い、金属同士がぶつかり合う音が周囲に響き渡った。
「………」
「済まねーが、トンファー下ろしてくれ」
思わず閉じていた目を、ごく最近から聞き慣れた声がした為に開ける。
「リボーン!!」
小さな彼は、口の端を上げる事で応えた。
「……ねぇ赤ん坊。何でそいつを庇ったの?」
口をとがらせた学ランの彼は、俺を一瞥する。
「羚は、ファミリーだからな」
「――へぇ、あの草食動物のね…」
ニヤリと笑い、目を細める。
「じゃあ、また咬み殺す奴が増えたね」
楽しそうに。
「まぁ、今回は見逃してあげる」
何かを企んでいるように。
「――次の時は、もちろん君も戦ってくれるよね?」
期待してるよ、と言って去って行った…。
「リボーン、助けてくれてありがとう」
小さな赤ん坊に助けられるなんてな、と自虐的な笑みを浮かべる。
「あぁ。
――ところで、行かなくて良いのか?」
「え?……え〜っと……」
《キーンコーンカーンコーン…》
始業のチャイムで、リボーンの言葉の意味を知った。
「うわっ!!もう1時間目始まった!?」
じゃあなッ!と俺は手を挙げて、全速力で校舎へ走った。
「―――アイツ、雲雀から逃げようとしなかったな」
リボーンの呟きは、誰に届く事も無く、宙に消えた。
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