日常編
□標的8_保育係
1ページ/2ページ
†
「先にランボを笑わせたヤツが、ツナの右腕だぞ」
その一言が、この一件の始まりだった…。
「十代目…、オレ、やっぱりランボのこと好きです」
(すごい無理してるよ獄寺君…)
獄寺は必死になってどうにか笑みを顔に貼り付けながらも、ヒクヒクと緊張する口元が抑え切れていない。
「山本、オレから行くぜ」
「あ、あぁ―――<ヒュッ――タン>ん?なんだ、雲霓か」
「その前に制服で二階から降りてきたことに驚けよっっ!!」
アイカは制服(要するにスカート)で二階の窓から降りてきた。
というか、落ちて来た。
一応スカートはおさえて…だが。
「ゴメン、リボーン。遅れた」
「何かあったのか?」
「ん〜…ちょっと雲雀に見つかりそうになってね。
――で、そこのランボとか言う子の保育係を決めるんだっけ?」
「そうだぞ。アイツを先に笑わせる事ができれば、ツナの右腕だ」
口の片端を上げるリボーンに、どうしても悪い予感しかしない。
「カスミ、オメーにはぜってー負けねーからな!!」
「はいどうぞ。私、ツナの右腕には興味ないから」
(獄寺君が明らかにケンカ腰なのに、雲霓さん、軽くスルーしてる…)
獄寺はランボの方へと近づいて行ったが、アイカはそれを無視してリボーンに聞いた。
「リボーン、あなたがツナのためにランボの保育係を探すって言うの、何か怪しすぎるんだけど…」
「そうか?
ま、たまにはいいだろ(ニヤリ」
(…確信持って言える。断言できる。
絶ッッ対、何か企んでる…)
ドカーンと派手な音がしたので見てみると、何故か獄寺がランボに向かって怒っていて、それを山本が抑えていた。
まあ、いつもの事だから別段おかしくもないのだが。
「次は山本だぞ」
(リボーン、爆発は無視するの?)
そんな私の心境は他所に、今度は山本がランボに近寄って行く。
さて、山本はどうやってランボを笑わせるのか…―――
そう思っていたら、山本は何処からか野球ボールとグローブを取り出してきた。
(この人、コレしか取柄ないな…)
私は呆れて見ていたが、ランボは興味津々。
だが、すぐにそれも叫びへと変わった。
「ビャ―――――!!」
「わりーわりー。野球のフォーム入っと手加減できねーんだ」
さすが野球バカ。
きっと他の人にはマネできやしない。
その真剣さは少し他の所に回すべきだと思う。
「次はアイカだぞ」
「ちょ、泣いてるの無視?」
「お前が笑わせればいいだろ?」
やはりこの人は、ランボとかいう子供を泣かせたいようだ…。
†