折れた翼は―

□標的5
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ザンザスが戻り、徐々にだが活動も元の如く増えて来た。


輝羅は此処に来た当初、全く出来なかった仕事(書類整理)も、幹部達の熱心な教えと子供特有の吸収力の良さからか、みるみる内に上達。

今日も山積みになった書類と格闘していた。

今では書類整理において、彼女の右に出る者は居ないと言われる、








―――とまでは言わないが。





「う゛ぉおおい!!ベル、さっさと出て来い!!」

『スク、ベルがどうかしたの?』

「ぉ゙う、輝羅か。
またベルの奴、報告書纏めんのサボりやがったんだ。
――ったく、提出の時刻から3時間も過ぎてんのに。
少しは輝羅を見習って欲しいぜぇ」


額に青筋浮かべるスクアーロから向けられた視線に、輝羅は笑みを浮かべた。


『じゃあ、私がベル探して来る!』

「う゛ぉい!それじゃあ輝羅の仕事g『私のは終わったよ?はい、これ』…そうか。じゃあ頼んだぞぉ」

『りょ〜かい!スクも仕事がんばってね!』

「ぉ、お゙う」


じゃ〜ね〜!と笑顔で手を振り去って行く輝羅に、スクアーロは渇いた笑みしか浮かばなかった。




「………本当、性格変わったなぁ。輝羅の奴…」




これが子供ってヤツなのかぁ?





小さな背を見送るその瞳が、子を見守る親のように優しかったのを、

彼は知らない。







渡された書類の中には他の者に回そうと自分の机に置いていた物もあって、悲しみからでは無い涙が流れそうになったのは別の話。





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