折れた翼は―

□標的4
1ページ/4ページ





輝羅がヴァリアーに入隊した翌日。


「この服とか可愛いんじゃなぁ〜い?」


ヴァリアー幹部全員と輝羅は、街へショッピングに来ていた…。


「つーかさー、輝羅の服を見るんじゃなかったっけ?」

「確実にルッスの服だよな…アレは」


レヴィの言う『アレ』とは、ルッスーリアが手にしているド派手なショッキングピンクの服の事である。


「――輝羅、どんな服が良いとかあったら気楽に言えば良いんだぜ?」

「そうだよ。今回はヴァリアー名義のお金で払うんだ。…まぁ、君の分だけだから僕に利益は無いんだけどね」


活動が少ないヴァリアーには、今現在使ってなくて余ってる金銭が多くあった。

今回の輝羅の買い物は、スクアーロの計らいでそれらを使い、支払う事になっている。


『じゃあ…緑色の……が良い…です…』

「やっぱり、ルッスが選ぶのとは反対だな、しししっ。――…あ、そうだ。敬語やめろよ。『さん』付けとかもナシだからな」

『え、でも…――』


チラリと周りの顔色を伺う輝羅。

それを見た幹部達は口を開いた。


「別に僕は構わないよ」

「俺もそれで良い」

「俺もだぁ゙。というか、その前に―――





何で俺が荷物持ちなんだぁ゙あ゙あ!!


スクアーロの腕には、大量の紙袋がぶら下がっていた。


「「「まぁ、頑張れ」」」


息ピッタリに発された言葉に、青筋をたてるスクアーロ。

それを見た今回の買い物の主役である輝羅は、申し訳なさそうに呟く。


『…じゃあ……私が…持ちます……』


やはり敬語の抜けていない言葉で。


「………いや、良い。オメーが持ったらオメーのが選べねぇだろぉ゙?」


スクアーロは自分が荷物持ちで良いという決断をした。


するしか、なかった――。





次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ