日常編

□標的8_保育係
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「先にランボを笑わせたヤツが、ツナの右腕だぞ」



その一言が、この一件の始まりだった…。












「十代目…、オレ、やっぱりランボのこと好きです」

(すごい無理してるよ獄寺君…)


獄寺は必死になってどうにか笑みを顔に貼り付けながらも、ヒクヒクと緊張する口元が抑え切れていない。


「山本、オレから行くぜ」

「あ、あぁ―――<ヒュッ――タン>ん?なんだ、雲霓か」

その前に制服で二階から降りてきたことに驚けよっっ!!


アイカは制服(要するにスカート)で二階の窓から降りてきた。
というか、落ちて来た。

一応スカートはおさえて…だが。



「ゴメン、リボーン。遅れた」

「何かあったのか?」

「ん〜…ちょっと雲雀に見つかりそうになってね。
――で、そこのランボとか言う子の保育係を決めるんだっけ?」

「そうだぞ。アイツを先に笑わせる事ができれば、ツナの右腕だ」


口の片端を上げるリボーンに、どうしても悪い予感しかしない。


カスミ、オメーにはぜってー負けねーからな!!

「はいどうぞ。私、ツナの右腕には興味ないから」

(獄寺君が明らかにケンカ腰なのに、雲霓さん、軽くスルーしてる…)











獄寺はランボの方へと近づいて行ったが、アイカはそれを無視してリボーンに聞いた。


「リボーン、あなたがツナのためにランボの保育係を探すって言うの、何か怪しすぎるんだけど…」

「そうか?
ま、たまにはいいだろ(ニヤリ

(…確信持って言える。断言できる。
絶ッッ対、何か企んでる…)


ドカーンと派手な音がしたので見てみると、何故か獄寺がランボに向かって怒っていて、それを山本が抑えていた。

まあ、いつもの事だから別段おかしくもないのだが。


「次は山本だぞ」

(リボーン、爆発は無視するの?)


そんな私の心境は他所に、今度は山本がランボに近寄って行く。

さて、山本はどうやってランボを笑わせるのか…―――


そう思っていたら、山本は何処からか野球ボールとグローブを取り出してきた。


(この人、コレしか取柄ないな…)

私は呆れて見ていたが、ランボは興味津々。

だが、すぐにそれも叫びへと変わった。


ビャ―――――!!

「わりーわりー。野球のフォーム入っと手加減できねーんだ」


さすが野球バカ。
きっと他の人にはマネできやしない。
その真剣さは少し他の所に回すべきだと思う。


「次はアイカだぞ」


「ちょ、泣いてるの無視?」

「お前が笑わせればいいだろ?」



やはりこの人は、ランボとかいう子供を泣かせたいようだ…。






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