日常編

□標的7_はじめての殺し〜その後〜
1ページ/2ページ






「ケッ、おどかしやがって」

「ははっ、おもしろいおっさんだな!」

「ははは…」


モレッティーのアッディーオ〈さようなら〉で疲れきって座り込んでしまっているツナ。


そんな所に、彼女は来た。











タッタッタッタッ――――タンッ


大丈夫っ!??ツナ!!

「雲霓さん…!?」

「雲雀には、お芝居を手伝ってくれって頼んであったはずだが…。
何で本当に、風紀委員のお前を送ってきたんだ?」

「私は送られてきたんじゃなくて、自分から来たんだよ。
雲雀が『獄寺隼人にダイナマイト投げられたから打ち返した』とか言ってたもんだから…
それにしても、酷い有り様だね…」


部屋の中を見回して、ハァ、とアイカは一つの溜息を吐く。


「…仕方ない。雲雀の後始末は同じ風紀委員として、私が責任持って手伝うよ」

「いいの?手伝ってもらっても…」

「良いって言ったでしょ?…それにしても、壁までこの有様か…」


呆れを通り越して、もはや感心してしまう域である。
これで隣の部屋には被害が無いんだから、この家はどうなっているんだろう。


「オレも手伝います、十代目!!」

「オレも手伝うぜ」

「元はと言えば、私が元凶ですから私も手伝いますよ」


口々に、手伝いに名乗りを挙げる獄寺と山本、そしてモレッティー。

――と、そこに、


ハ、ハルの…ハルの屋形船が…


しゃがみ込んだハルの、悲哀に満ちた呟きが聴こえた。


「ありがとう、みんな。…ところでハル、大丈夫か?」

ツナさん…大丈夫じゃないです…ハルはブロークンハートです…

「―――それ、雲雀が壊したんじゃなさそーだけど、此処の片付けが終わったら、一緒に直してあげようか?」


流石に可哀想になったアイカがハルに声を掛けると、


いいんですか!?


今まで背負っていた、暗い影は何処へやら。
嬉々とした表情で、ハルは顔を上げた。


「(くすっ、可愛いなー)
此処の片づけが終わってから、ね?」

はいっっ!!
ツナさん、ハルもお手伝いしますっっ!!」

(カスミのヤツ、アホ女の扱いうめーな…)

「それじゃあ始めよっか。まずは、っと」


アイカは工具箱を取り出した。


((((一体全体、その軽装の何処から…))))


先程迄は持っていなかった大きな荷物に、ほとんどの者が目を疑った。


「私はこの壁を直すから、ツナと獄寺、山本はその机の修理して?
それからえーと…」

「モレッティーです」

「じゃあモレッティーさん、貴方は私と一緒に壁の修理してくれる?
ハルはそこら辺の掃除してて」

「分かりました」

ラジャーです!!


そして皆はアイカの指示で、それぞれ後始末を始めたのだった。








次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ