日常編

□標的2_再戦
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「―――やあ、やっと来たね」



アイカ達が屋上に着くと、既に来ていた雲雀は嬉しそうに笑った。



「えぇ、じゃあ、始めよっか」

「言っとくけど、手加減なんてしないよ?」

「いいよ。そんな事してくれなくて」



ニヤリ、とアイカは妖しげな笑みを浮かべる。



「んじゃ、オレの合図で始めだぞ」



 チャキッ   スッ

リボーンの言葉に、雲雀はトンファーを、アイカは愛刀である雲霍〜ウンカク〜をそれぞれ構えた。



「よし、じゃあいいぞ。始めだぞ」


ガッ――ガガッ――ガキンッ



「は、速い…」


2人はときどき相手の力を確かめる様に、それでも残像が残る程のスピードで得物同士をぶつけ合う。


「でも、カスミのヤツ、全然攻めれてないんじゃないっスか?」


アイカは、傷1つ受けていないものの、雲雀の攻撃から身を守っているだけだった。

互いに傷が付く事も無く、数分の時が流れる。



「どうしたんだい?攻めてきてないじゃないか」



不満そうに雲雀が言うと、アイカは少し考える素振りを見せる。



「ん〜〜、そうね…
―――じゃ、今から攻めに入るけど、



――準備は良い?



口元だけで笑う獰猛な笑みに、ツナ達は背筋にゾクリ、と冷たい物が走った感覚がした。



「あ、あれで本気じゃないの!!?」

「スゲーな、アイツ」


その内に、アイカのスピードはどんどん上がっていった―――


「化け物かアイツら…」


そのスピードに、雲雀もついていっている―――























かのように見えた


ピッ―――


「!!?」


雲雀が自分の頬に走った痛みに驚くと、


「あ〜ゴメン。斬らないようにしてたけど、切っちゃった?」


少し笑ったアイカ。


「斬らないようにしてたって…」


ツナがアイカの言葉に目を見開く。



今日もパンチは極限――お〜沢田!!こんなところに――グハッ!?


「「じゃま」」


アイカと雲雀は、いきなりやって来た誰かを、それぞれトンファーで殴る、雲霍で峰打ちする――という具合にして、一瞬の内に気絶させてしまった…




「お兄さん!!?」

「大丈夫っスか?笹川先輩…」



倒れた彼を心配した二人が近寄ろうとした途端、ガバッと起き上がった。


「俺は大丈夫だ…―――それよりっっ!!

「な、なんですか…」

「あの娘は極限、ボクシング部に入れるべきだ!!」


あの強さは是非ともボクシング部に入れたい!と咆える了平に、いつも通り獄寺が突っ掛かる。


「うるせー芝生頭!
アイツはボンゴレになったんだ。
んな事させっかよっっ!!」


「なんだとタコヘッド!!
あいつはもう他の部に入ってしまったと言うのか!?
その、モンゴルとか言う―――」


ボンゴレだ!!
しかも部活じゃねーし……
(まあいいか。それでコイツがあきらめてくれんなら)」





「ん〜、そー言えば、後何分?」



触らぬ神に祟りなし。

騒がしい外野を余所に、そして本人が雲雀と戦っているとはとても感じさせないのんびりとした口調でアイカは聞いた。



「3分だぞ」


「そ。じゃあ雲雀、行くよ―――っっ!!」

「!!?」


ガンッと強く打ち込まれた斬撃によって、痺れて雲雀が動けなくなった一瞬。
その間に、アイカは間合いを取る。


そして。


「霖霞靄露〜リンカアイロ〜――『靄』!」


アイカがそう言うと、半径5メートルぐらいの半球状の白い靄のドームができた。


「な!!?なんだコレ!!?」

「アイツの言った通りなら…靄、みてーだな」

「見えねー!!」

「アイツら大丈夫なのか…?」








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