七日間のキセキ。〜終章〜
□七日間のキセキ。
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「、はじめまして」
「―――え…?」
やって来たお見合い相手は、
あり得ない相手だった。
「お初にお目に掛かります。
私は葉月 羚、と申します」
羚と呼んでくださいね、と言う彼女は、10年前の"彼女"をそっくり大人にした様な顔立ち。
でも、"彼女"は男子と間違える程に、男よりも男らしかった、はず。
という事は、
「――はじめまして、沢田 綱吉です、」
パラレルワールド。
同じ時間軸で動く、もう1つの世界。
目の前に居る彼女は"彼女"と同じで異なる存在。
この世界の"彼女"、なのだろう。
物腰も言葉使いも、
"彼女"とは違うけれども。
「…?どうかしましたか?」
「あ、いえ…」
あまりにも彼女の顔を凝視してしまったらしく、困った様な風に笑った羚さん。
「……昔の知り合いに似ている気がしまして、」
「、まぁ…」
正直に話すと、彼女は驚くでもなく、ただ目を細めるだけ。
そして、
「世界には、3人の似た人物が居ると言いますし、たまたま綱吉さんの傍に2人重なったのでしょうね、」
ニコニコと笑みを浮かべる彼女は、
やはり"彼女"に似過ぎていた。
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