七日間のキセキ。
□いつも一緒に居た
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羚ちゃんの「バイバイ」って言葉は、俺を少し恐怖に陥れた。
彼女と離れたのは、はっきり言って誘拐された時くらいだ。
だからなのか、俺の中の何かが不安に揺れる。
離れたら、彼女が何処か遠い所へ行ってしまう気がした。
―――いや、違う。
彼女が学校初日に言った事が、頭をちらついて離れないんだ。
それは、
彼女が自分で意図せずに此処――この世界へ来たという事。
突然やって来た彼女が、
いつ俺の前から姿を消すとは判らない。
いつ此処から消えてしまうのだろう。
彼女の意志で来た訳で無いから、余計に。
形を成さない不安が駆け巡り、
俺の心を蝕んだ。
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