七日間のキセキ。

□少しの罪悪感
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「、羚ちゃん」



紡がれる俺の名。



「、ツ…ナ………」



ギュッと繋がれる、俺の手。




心地好い体温が、


彼の両手から俺の右手へ


伝わっていく。






大丈夫だ、と握り返せば


「………良かっ、た」


ほろりと一滴。


「俺は、此処に居るよ」



いつか。


彼がしてくれたように。


今度は俺が彼の雫を拭う。












そのまま頬に手を当てていると、
いつの間にか泣き止んでいたツナの顔が、ボッと音を立てたのではないかというほどに、真っ赤になった。



「〜〜〜〜〜〜〜っ、」


「?…どうした、ツナ」


少し痛みに慣れた身体を起こして顔を覗き込む様にすれば、





ガシャンッ





椅子を倒して落っこちた。



「痛っ〜〜〜〜!!」

「大丈夫――…って、な訳ないか」


ベッドから下を見れば、頭を抱えて蹲るツナが居る。

さっきのは愚問だったなと、ほとんど何も出来ない現状で俺が出来る事――ベッドに横になる事にした。









―――1分後。




「はぁ………痛かった〜」


もう全然、痛がる様子の無いツナが居た。


「……復活早いな」

「まぁ、リボーンに鍛えられてるから」


苦笑で病室内が満たされる。

でも、決して居心地悪い雰囲気では無い。




「そういえばさ、」

「ん?」

「羚君――…女の子、だったんだね…」

「あ〜………、うん」


もう隠しきれてない。

山本にも獄寺にも、知られてしまっている。

ツナには自分から言おうと思っていたのに、どうやら既にツナ自身で気付いたか、誰かから気付かされたようだ。

ツナの様子を見るに、後者だと思われるのだが、



「………ライモンに言われたんだ」

「、…え?」


その名前は、予想していた誰の物でも無くて。

俺は目一杯、目を見開いた。



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