七日間のキセキ。

□廃倉庫と鉱山
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「――やぁ。よく来たね、沢田綱吉君」

両手を広げて出迎えたのは、電話の男だった。

だが、羚の姿は見当たらない。

「羚君を、何処にやった」

「ん〜、教える必要、あるの?
――…約束破って複数人で来たのに」

スッと細められた目。

寒気がするのに、背筋に沿って汗が流れた。

「交渉には、君1人で来いってあったはずだ。だから、この交渉は決裂、だね」

「そうだな。元からお前達と交渉する気は、無い!!」

「フッ――…だろうと思ってたさ!」


死ぬ気丸を飲んでともされた額の炎。

男が合図を出し、ツナの周りを屈強そうな男達が取り囲んだ。


「行くぞ」

「、やれ!!」





共に距離を縮めるツナと男達。

一瞬遅れて、爆音が轟いた。





*+*+*+*+*





同時刻。採掘場にて。


「クソッ、薄暗くて全然見えやしねぇ」

「まぁ、そう焦るなっての」

「つーか、何で野球バカが此方に居んだよ!!」


前日の予定と違い、山本は獄寺と共に羚の救出の方へと回っていた。


「それは羚が捕らわれてんのがこんな所だったからだろ?」


そう。ダイナマイトを爆発させると天井が崩れ落ちると懸念される場所に羚が居ると分かった時、リボーンは山本に「羚の救出に回れ」という指示を出したのだった。


「しっかし、コレは何時まで続くんだろーな」

「んな事俺が知るかよ!」

暗くジメジメと湿った長い道。
入り口であった所から漏れる光は既に、握り拳ほどの大きさも無い。
行く先を照らす懐中電灯の明かりは頼りなく揺れている。

「これじゃアイツの所まで辿り着かねーんじゃ…」

小さく呟いた獄寺の声も、壁や天井に反響していく。


そんな時。


ドゴッバキャッ

『てんめー大人しくしやがれっ!』


何かを叩きつける音と、罵る声。

それらを耳にした2人は静かに頷き合い、音のした方へと駆け出した。




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