七日間のキセキ。
□救出作戦
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「――っ、野球バカ、お、教えやがれ!」
人に頼む態度ではない獄寺君だけれど、彼なりの精一杯なのだろうと今までの付き合いから分かる。
「獄寺って武器、ダイナマイトだろ?」
「それがどうした」
「俺のは刀だから接近戦になる。獄寺だったら中距離だ」
「お、おう…」
真剣に話す山本に、少したじろぐ獄寺君。
「ダイナマイトなら煙幕みたいにもなるし、俺より獄寺の方が葉月の救出に向いてると俺は思うのな」
話の終わりはニカッといつもの様に笑う山本だったが、話の筋は通っているので獄寺君も渋々ながら作戦内容を了承した。
「でも、相手は何人居るか分かんねーんだろ?俺が助けに入るとはいえ、ツナと俺の2人で大丈夫なのか?」
「そこんとこは心配要らねーぞ」
軽々と跳んで山本の肩に乗ったリボーンは、不敵な笑みを浮かべる。
「力強い助っ人を頼んでるからな」
「本当っスか!?」
目を輝かせる獄寺君の横で、俺は嫌な予感がした。
―――こういう時は、(認めたくないけど)ボンゴレの超直感なのか大体の予感が当たる。
大抵良くない事の方が多いから当たっても嬉しくないのだけど。
取り敢えず大まかな作戦内容も決まった所で、俺達は明日に備え解散する事にした。
(羚君、待ってて…――)
君の安否が気がかりで。
(絶対に助け出すから)
君の笑顔をもう一度見たいから。
(悲しい君の涙は、)
もう見たくない。
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