エデン(Eden)
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「夢…かぁ…。」
バサリと私は起きた。
隣にはベッドで寝ているミリア様と紅亜様。
大丈夫…ミリア様は咳なんかしてない。
まだ外を見ると暗い。
日もまだ出ていなかった。
*****
チュンッ、チュンッと小鳥達の声。
私達は宿へお金を払い、外に出た。
宿の人物に聞いた所
ランプブラックの城は少し進んだ所にあるらしい。そして気をつけろと、の一言。
城で気をつけろ…とはどういうことなのか
少し疑問に思ったが。
「しかし本当疑問ですね…。」
「なにがぁ?」
私の前に歩いていた紅亜様がくるりと振り返る。
「まったくこの町に戦いのキズがないことです。」
私は町の様子を見渡す…。
この乱戦の中ましては黒が次々と他の国に宣戦布告などをしている中でこの国自体が全く傷、戦いのあとがないことだ。
「ああ、それねぇ。」
「知ってんのか紅亜様よ。」
「そうねぇ、馬鹿リュウガには理解できないとは思うけど…。」
「馬鹿ってなんだよ。」とリュウガ君。
「戦闘態勢の時に剣を針のように操ることですよ。」
「黙れリト。」「うるさいですよお二人とも。」
…といつもの従者一人と執事二人の茶番。
もう慣れてきそうで怖い。
「で、ランプブラックが黒の国に攻められていないかと言うとねぇ…。
ここ平和と絶望の国じゃない?」
「ええ。」
「それであの黒の民と戦った場所あるじゃない?
あそこは実は光と闇への道への境目なの。」
どうやら紅亜様の話によると
このランプブラックには二つのルートが存在するらしい、それは光ルートと闇ルート。
この道は清き心を持つものは光へ
そして悪…つまり黒の国のような存在は闇へと分かれているらしい。
しかし黒の民はあの時撤退した。
…まさかこのことを知っていて―。
「別にこんなことはどうでもいいのよぉ。
あのランプブラックとやらの王女やらにあって黒との関係性調べてやるんだから
とっとといくわよぉ。」
「はっ、はい!!」