エデン(Eden)

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「黒の魔法使い、
貴方がお探しの物はこれですね。」




「フィオーレ王女おやめくださいっ!!
それは国宝です!!簡単に手放さないでください!!」




ジョーカーさんがフィオーレ王女に叫ぶ。
私はその隣で見ていた。
そう、この国のマカ言う人物になりすましてまで。

戦場に向かう前、部屋から出る時
フィオーレ王女は片手に謎の袋を持っていた。
そう、その中に入っていたものはこの国の国宝。

簡単に言えば私の黄の国の「祭壇の宝石」と同じ物である。







「ジョーカー、いいんです。
もう、このオーブは機能しませんから。
【癒し】の力なんでもうないんですから。」




「そんな…!!
フィオーレ王女おやめください!!
黒の国はそんな物簡単に復活させてしまいます!!」




「さあ、黒の魔法使い!!
お取りなさい、このオーブはただの石です。
何も機能しませんから。」




「そ、ありがと。
じゃあ、そっちに取りに行きたいけどさ。」




フィオーレ王女は疑問に思う。
フィオーレ王女と例の魔法使いの距離は結構離れている。


今のまま、フィオーレ王女の元に行けば背中ががら空きになる。







「ブラッディースクライトォッ!!!」




「随分。
この軍は凄いね。
それに君は今さっきの隊長さんよりも強い。
凄い、早い。」




ギィイイインッ!!
と魔法陣が貼られ、黒の魔法使いはシールドを作り出した。

そう、紅亜様の攻撃を阻止したのだ。






「この魔法防ぐなんて今までになかったわぁ。
それに、貴方に聞きたいことがあるんだけど。」





「何。」





「貴方、黒の民が持っていた、黒の魔道書。
私の手荷物から奪ったでしょ。

その魔道書。」





黒の魔法使いの片手には黒い魔道書があった。
そう、あの「赤の国」の紅亜様
そして「黄の国」の私。

「闘技場」で戦ったあの時。
黒の民が乱入してきたのだ。
そしてその後、無事民のリーダーを倒したのだが…。

そのリーダーを倒した後。
彼は砂となり、消えた。
そしてその後に一冊の魔道書が現れた。


私は紅亜様に預けておいたままだったのだが、まさか奪われていたとは。






「あなた、黒の国の何者なのぉ?」




「フフ。」




「なぁに?気持ち悪いわよぉ?」




「アハハハッ!!
ばれちゃったぁ!!ばれちゃった!!
私は黒の国の司祭のチーム。
【7のヴァリブ】の一人!!
セリナよ!!」





急に魔法使いの態度が急変した。
その笑いと共に。






「司祭…?
そぉ、ご丁寧に挨拶をどうもぉ?」




「フフフ。
そちらこそ、どうもありがと。
赤の国の皇女様。」



「…なんで」





とその言葉と同時に
周りの兵士達がざわつき始めた。





「赤の国の皇女だと!?」
「どうしてそのような方がここに?」






「ちっ…貴方ねぇ!!」

グンッ!!
と紅亜様は剣を巨大化させる!!






「はぁああああっ!!!」


紅亜様は大きく剣を振る。
が、



「フフッ!!ざんねん!!
囮でした!!」




フッ、と紅亜様の後ろにはあの黒の魔法使いのセリナ。

彼女は黒の国の司祭と言った。
だけどなんでこんな若い子が司祭を…









「紅亜王女!」




「ミリア―。」




「貴方、背中がら空き!!
勝手に自滅しないで!!」




「そんな貴方もがら空きよぉ?
近くにいちゃあ私の攻撃に当たっちゃうよぉ?」




「そ、でも協力してこいつを倒しましょう。
その方が楽よ。」




「そうねぇ、さっさと魔物も片づけちゃうかぁ?
あははッ!!」




ダンッ!!
とミリア王女と紅亜様は周りの魔物を倒して行く。
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