エデン(Eden)

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山の上から見てみるととても木や緑がとても生い茂っている―。


さわさわと草の音。




「んーッ!!
さっすが、緑の国!!
山の中と言えども居心地がいいわねー!!」




「そんな青の国の王女様ももう少し普通の獣道とかに慣れたらどうなのかしらねぇ?」



「なによ、皇女様。
青の国には対して緑はないのよ!!
水はとっても多いけれども!!」



ピリピリとしているミリア王女と紅亜様。
昨日、私達は赤の国の皇女様、紅亜皇女様とその従者の紅聖さんを仲間にすることができた。


紅聖さんは氷の剣の使い手。
そして戦いに関しては後ろからのフォローがとても上手い、とのこと。


剣使いとしてリュウガ君に剣の使い方を教えてくれたらいいなとか思ったり。




よく起きた、リュウガ君とリト君の喧嘩らしきもの。
紅聖さんが来てくれたおかげで執事仲間が増え、喧嘩を止める人もでてきてくれた。


それはそれで一件落着。



そして今度は喧嘩、までとはいってはいないが静かな喧嘩。
ミリア王女と紅亜様が少しピリピリしている。

まあ、姫として、仲間として私が止めれば気がすむことなのだが。









「それで、ラィア様。」




「あっ、はい!!
なんでしょうか、紅聖さん!!」




「緑の国での品物の流通ですが、一度緑の城の中に送られ品物の確認をされます。

そのあと店などに出されるのですが。
どうします?先に城の中にお邪魔させていただきますかね?」




「店なんかに出されたらこっちが黄の国の宝石を探すのがめんどくさいだろ。

とっとと城の中入らせてもらおうじゃないか。」




「リュウガ君。
それ暗殺者と同じ存在になるよ。」






そう、私たちがここ、緑の国に来た目的はこの国に黄の国の祭壇の欠片があるということだ。

赤の国の漂流物か何かで祭壇の宝石の欠片があったのらしいが、紅亜様のご判断で鉱物に最近興味がある緑の国に送ったらしい。




と、いうことで売られて誰かに買われたら困るのでどうにか交渉して返してもらおうということ。





だが、











「ねぇ、ラィア。」




「ミリア王女なんでしょう?」



ミリア王女は扇をパッと開き。





「緑の国って、あれよ、女性の身のこなしやらうるさいわよ。」


初耳だった。
女性の身のこなし?
緑の国は優しそうなイメージを持っていたがちょっと厳しい国だったのだろうか?







「へ…?
それって入国調査的なものでしょうか?」





「まあ…それもあるけど…
紅亜王女と私、二人には共通点あるんだけど
貴方にはないのよ。」





「ええ!?
それって民族的な何かですか!?」




「ちがうわぁ、ラィアちゃん
パッと見てわからないのぉ?」



と紅亜王女の口が開く。







「ええ…?
ただ私とミリア王女と紅亜王女様の違いは
髪型が長いか短いだけなのですが…?

身だしなみですよね?」





「そうよ!!
緑の国の法律その一。

女性は皆、長い髪であること。
同じく、国民以外の者つまり観光客含め女性は長い髪である者でしか入国許可をしない、っていうおかしな法律。」




「本当、おかしい国よねぇ〜
ただラィアちゃん、ここでロングにしておかないと緑の国に入国できないってこと。」





「そっ、そんな!!
今すぐ髪の毛伸ばせってことですか!?」



それはさすがに無理がある。
一日、二日や一週間じゃあこの私の少し短いショートはそんな簡単に伸びないよ!!






「だから、ラィア。
あなたは変装してもらうわよ。
髪型から全部。

ねぇ、紅亜様?」





「そうねぇ〜
とっとと宝石返してもらって黒の国とっとと潰したいんだから早くやるわよ。」




「えっ、ちょっ、ええ!?
ちょ、リュウガ君達無駄に静かだと思ったら何朝食食べてるの!?」



無駄にリュウガ君達の話声が聞こえてこないと思ったらすでに朝食を食べている執事二人と従者一人。





「まあ、そっちラィアが入国できるようにしておいてくれ。
こっちは出発するまでのんびりしてるから。」





「ええ、わかったわ。
さて、ラィア。

まずウィッグつけてもらうわぁ…?」




「はっ、はひ…」



紅亜様の目が怖い…!!
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