エデン(Eden)

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ギィンッ、ギィン、ギィイインッ!!
激しい剣の音が鳴り響く。


そして観客達はポカーンと口を大きく開けている。
そして赤の国の兵士達の顔には少し汗。




「おっ、おい…紅亜様の初めの必殺を回避したし、おまけに紅亜様の攻撃を今どうにか避けてるんだよな!?

あっ、あの黄色いの?」



「あっ、ああ…
なんかよくわかんねぇぞ、あの娘」



「まさか本当黄の奴じゃあないんだよな?」



「いっ、いやそんなわけあるか!!」







いや、そんなわけなんだ。

観客席の下から聞こえてくる赤の国の市民達の声。
ワーッ!!ワーッと始めの方は「紅亜様ゴーゴー!!」とか「一発で決めちゃってください!!」との声が聞こえていたが、今現在そんな声は聞こえない。


会場のほとんどの人物が唖然としている。

俺の横にはミリア王女とリト。
ミリア王女は自分の愛用の扇を膝にパシパシ叩いている。


そしてリト、
魔道書のページを高速でめくっている。
顔ドス黒い。いや別にSとかじゃないらしい。本人曰く。









「なあ、ミリア王女」

俺はミリア王女に問いかけた。





「何よ。」
パシパシと自分の膝を扇で叩いている。
これ失礼だが本当に王女か?




「奴に隙が全く見えない。
今の状況でラィアは勝てるのか?」




「さあね。ラィアの実力次第よ。」
―パシッと膝に扇を叩くのを止めたミリア王女。





「ただ、そろそろあの魔法を使ってもいいかもしれませんね。」

リトの口が開いた。




「…あの魔法か?
とりあえず意味あるのかあれ。」




「ええ、きっとありますよ。
逆転を簡単に教えてくださるのですから、きっと効果はありますよ。」




「なら、いいんだが。」




俺は闘技場をジッと眺めた。
あの皇女様とラィア―

きっと剣筋でいったらあの皇女様の方が有利だ。



俺は戦いの参考になるようにジッと見ていた。









「作戦の準備は順調か?」
「ああ、弓部隊も完了している。」
「よし、奴の体制が崩れたら一気にいくぞ。」
「ああ。」







「?」

後ろの方からボソボソと話声が聞こえた。
後ろを向いてみたが誰もいない。

まずここが観客席の最後の列なのだから。
俺は何もなかったように再度闘技場で戦っている様子を眺めた。
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