エデン(Eden)

□05
2ページ/5ページ







「わあ…おばさんこのネックレスって
青の国の漂流物で作った物なの?」




「よく知ってるねぇ、お嬢ちゃん
ここに並べてあるもん全て青の国の宝石やら漂流物すべてさ。」



「凄い!!ねえ、ねえ
見てリュウガ君!!」







昨日はとりあえず野宿だった。
熊やら何かでてきたらどうしよう、と俺は思っていたが

ラィアが「大丈夫。何かあったらリュウガ君を守るから」と普通守るのは執事の俺だろ。




そして俺とラィアは今青の国いる。






そう、青の国―
別名、ウォーターカントリーズ

とりあえず黄の国にない海はある。
おまけにとても綺麗だ。


ラィアが今見ているような
装飾品などを自分たちの手で作ることが伝統的だとか。



この国にはラィアの婚約者がどこかにいる。
青の国に兵士交渉を行く前にそちらを探すのを優先しよう。



そしてラィア
装飾品に目が行ってしまい
本来の目的を忘れている。






「おい、ラィア」



「ん?」


クルリとこちらを向いてくる。







「ここに来た目的はなんだったな?」




「あっ…ごめんなさい…。」




本来の目的を忘れていた様子
まあ、少し位は構わないとか思っている。

昨日まではずっと城内でラィアは真剣に色々考えていたのだから。









「来た目的、って
あんたら旅人か何かじゃないのかい?」




「あっ、ちょっと青の国で用があって。」




「ほう…。
旅人以外の者がここにくるなんて珍しいねぇ。

それでお嬢ちゃんどうする、このネックレス。
今なら値引きしておくよ。」




おばさんが手に持っている
中央に黄色い欠片がついており
青い小さな玉が回りを囲んでいる―







黄色い欠片…?




「―!!
おばさんこれ何円?」




「あっ、リュウガ君!!」




「彼女さんにあげるのかい?
500円のとこを300円だよ。」


彼女じゃない、ただの
王女と執事の仲だ、とは言えないが




チャリンと小銭の音




「はい、300円ちょうど
まいどありー!!」







おばさんの響く声


そして私たちは歩き出し
青の国の城へ向かっていく









「ん。」

リュウガ君がネックレスを私に差し出してきた。




「えっ、もしかして買ってくれたの?」




「まあ、ラィアが気に入ってる様子も見えたし…おまけにその中央の黄色の欠片―


祭壇の宝石に似てないか?」



祭壇の宝石―
黄の国の中央にある祭壇の黄色い宝石だ。


昨日黒いローブを着た何者かに破壊され
その欠片も行方がわからないままに。








「だけど、祭壇の宝石は王家の者にしか触れないはずだったよな?」




「…欠片になって力を失ったのかもしれないよ?
おまけにあのおばさん漂流物とか言ってた。

きっと破壊されてここに流された可能性もあるかも


でも、とりあえず買ってくれてありがとう。
リュウガ君?」








ニコリと王女らしい笑顔





「いっ、いや別に…
とりあえず青の国の城に交渉に行くぞ」



「うん!!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ