松風天馬に恋をする

□失恋する
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みょうじなまえ。雷門中一年。部活は美術部。
そんな私と彼、松風天馬の関係は至って普通の知り合いだ。幼なじみって訳でもないし、腐れ縁なわけでもない。ただ京ちゃんこと剣城京介の幼なじみである私は、彼を通じてたまたま松風天馬と話すことがあってその時たまたま話が合って、よく話すようになっただけ。友達と言っていいのか私には判断できないから知り合いという枠に入れている。

そんな松風天馬に私は恋愛感情を抱いていた。所謂一目惚れってやつで。
サッカーをしてる姿を美術室からよく見るんだけど一生懸命なところがすこぶる格好いい。覗きじゃないよ?ちゃんとサッカーコートを絵に描いてるから、これは観察です。
松風は今キャプテンとして頑張っている。これは、京ちゃんから聞いた。京ちゃんも入学したての頃は荒れていたけど今ではすっかりおとなしい。
ふぃふすせくたー?のこととかいろいろ聞いた。というか聞き出した。なんてたって幼なじみですから。京ちゃんの弱みとか突きつければ一発で聞き出せるってわけよ。そんでついでにサッカー部のこととか松風のこととか色々聞いた。

ふふ、お陰でサッカー部事情には結構詳しいわけですよ。マネージャーでもないのに。
まあ、そんなことはどうでもよくて、大切なのは私が松風に恋しているということ。
そして、その恋がある日突然砕け散ってしまうということだ。







松風天馬と空野葵が付き合っているらしい。


情報通の友達から聞いた話に私は大きなショックを受けた。
確かに松風と空野さんは仲がいい。幼なじみと聞いていたが空野さんはサッカー部のマネージャーでよく部活中松風と話すところも見るし、一緒に帰る姿も見る。

そうか、付き合っていたのか…

空野さん優しいし、可愛いし、面倒見もいいし、それに比べて私は何にもない。松風とは少し話すくらいだし、そこまでサッカーに詳しいわけでもない。つまり、勝てる気がしない。というか、付き合っている人たちの仲を引き裂くような勇気なんて最初から持ち合わせてないけどね。
こうして私の初恋はいとも簡単に失恋に終わってしまったのだった。






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