オレンジデイズ

□ちょっとは成長しました。
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季節は過ぎていき、バン君たちは夏休みに入りました。
日に日にJr.のお見合いの日が近づいてきていることに嘆いています。


今日はみんなでキタジマに集まるみたいなので私もついて行きます。
アミちゃんにはメールしたり何回か会ったりしてるけど他の人に会うのは二回目だからすごくウキウキしています。


『あっついなぁ…』

バン「言うともっと暑くなるからやめて」

『そう言えばジン君もういないんだよね』

バン「そうだなー。ジン元気かなー」


二人で空を見上げる。
偶然飛行機が飛んでいて目で追っているとバン君に前を見て歩きなさい、と怒られた。


そうこうしているうちにキタジマに着いた。
初めて来たときはバン君の背中にしがみついていたな、なんて考えていると彼も同じことを考えていたのかこちらを見てニヤリと笑った。


バン「お背中お貸ししましょうか?」

『ふっ、私は日々成長しているのだよ』

今や普通に入れる!と意気込んで中に入っていくとバン君もそれもそうかと笑って私に続き、中に入った。


『アミちゃーん!』

アミ「わっ、あれ、バンとナノハが2番手だよ」


入ってすぐにカウンターにいたアミちゃんに抱きつく。
彼女はびっくりしていたけどちゃんと受け止めてくれた。
ありがたや。
それから周りを見渡すと、なるほで、ヒロ君とランちゃんの姿がない。

ランちゃんとは買い物帰りにバン君となにかを話しているところを鉢合わせしてしまってから会っていない。
あ、じゃあ、ランちゃんと会うのは三回目か。


アミ「ナノハ、暑いよ」

『あ、ごめん』

カズ「バンが妬くぞー」

『あ、カズ君いたんだ』

カズ「俺の扱いひどくない?!」

バン「あ、カズいたんだ」

カズ「もうなんなのお前ら!!」


両手を顔に当て泣き真似?しているカズ君に笑っていると、ヒロ君とランちゃんが一緒に入ってきた。


ヒロ「おはよーございます!」

アミ「あら、珍しい。一緒にきたの?」

ラン「べ、別に!ヒロが一緒に行こうって…」

アミ「ほう?」


すぐになにかを察したアミちゃん。
ランの肩を掴んでついでに私の腕を掴んだ。
私まで捕まるとは思わず声をあげた。


アミ「ちょっと外行こうかー(笑」

ラン「えぇ?!」

『私の必要性は…』


アミ「大丈夫よ、少〜しお話聞くだけだから」


先に遊んでて良いわよ、と言づてを男子に残してから私たちは外に連れて行かれた。
出てすぐ横の所で円を描くように腰を下ろすとアミちゃんはさっそくランちゃんに質問した。


アミ「で、付き合ってるの?」


いきなり核心をついた質問。
アミちゃんらしいがランちゃんはタジタジだ。
うろたえながらも付き合ってはいない、と小さく呟いた。


ラン「ヒロは私のこと好きだって言ってくれたけど、私はよく分からないから…」

アミ「なるほどねー」

『ヒロ君ってランちゃんのこと好きだったんだねー』


…ちょ、アミさん、視線が痛いです。


アミ「それはさておきよく分からないとは?」

ラン「だって私はバンのことがずっと好きだったし…」


その言葉を聞いた瞬間いたたまれない気持ちになった。
ランちゃんはそんな私の心を汲み取ったのか慌てて、今はもう諦めついてるんだけど!と付け足した。


ラン「今まで仲間として見ていたからよく分からなくて」

アミ「ふむふむ」

ラン「だから返事は待って貰っている…わけ、です…」


自分的にはヒロ君とランちゃんはとてもお似合いだと思うけど、この言葉は心の中だけに留めておいた。
バンのことがある手前そのような言葉が言い出しにくかったから。


これで中に戻れると思っていたら今度はアミちゃんの矛先がこちらに向いた。


アミ「ナノハは?バンとどこまで進んだの?」

『へ?』

ラン「私も気になる!」

『ランちゃんまで!?』

アミ「キスは?した?」


キス、と言われて頭に浮かんだのは修学旅行から帰ってきた日のこと。
思い出したらかぁっ、と頬が熱くなった。
もうすぐ1ヶ月経つと言うのにあの感触を今でも清明に思い出せる。


『き、キスは、しました…』

ラン「いつ!?」

『いつ?!…〜〜もうダメです!早く中に戻ろうよ!』


立ち上がって言いつける。
二人はえぇ、と言いながらも立ち上がった。
ランちゃんが先にキタジマに戻る。
やっと戻れるとホッと息をついた瞬間、アミちゃんに呼び止められた。



―――――――――――



アミ「先に遊んでて良いわよ」


そう言ってナノハとランを引っ張り出て行くアミを見つめる。
三人は出てすぐ横にそれた。
見えなくなるまでそれを見つめる。


ヒロ「アミさんはああ言っていましたけど、どうします?」


そういいながらカバンからアキレスD9を取り出すヒロに苦笑い。
やる気まんまんじゃないか。
俺もつられてカバンから自身のLBXを出す。
あ、ちゃんと最終チェックをしとかないとな。
ヒロが相手だ、全力でいかねば。


カズ「なあ、ヒロってランと付き合い始めたの?」


カズもアキレスディードを手入れしながらなんでもないように言葉を紡いだ。


ヒロ「まだ付き合ってはないです!」

カズ「まだって、付き合う予定なのか」

ヒロ「はい!」


意気揚々と答えるヒロ。
すごいな、と素直に思った。


バン「カズも直球勝負でいったら?」

カズ「……相手は手強い。」

バン「知ってますとも」

ヒロ「え!カズさん好きな人誰ですか!」

カズ「内緒。」

バン「アミだよ」

カズ「おまっ!……〜〜っ!…」


俺の言葉にヒロは納得したように頷いた。
横でカズは頭を抱えている。


カズ「言うなっていったのに…」

バン「よし!ヒロ、バトルだ!」

ヒロ「はい!」

カズ「今なら泣ける」

ヒロ「わあー!カズさん、ごめんなさい!」


慌ててカズのそばによるヒロ。
後輩に慰めてもらう先輩って威厳の欠片もないな。
それからバトルは始まることなくヒロがカズにあれやこれ聞いていたらラン達が戻ってきた。
よく見ると入ってきたのはランだけで後の二人は入り口の前でなにか話し合っている。
ナノハは渋った顔で手を左右に振っている。あんな顔初めてみた。


バン「アミ達なにしてるの?」

ラン「え?あれ、入ってきてないのー?」


どうやらランも知らないらしい。ランが大きめの声で二人を呼ぶとこちらを見て慌てて入ってきた。


ラン「もー?なにしてたの?」

ランの問いかけに二人はなんでもないと答えた。
いやいや、嘘だろう。
アミは楽しそうだけど、ナノハの顔げんなりしてるし。
明らかに態度の違う二人に対してふーん…なんてさも気にしてない生返事を返すランもすごいよ。


ヒロ「バンさん!今度こそ勝負です!」

バン「あ、ああ。そうだな」


まあ、いいか。
久しぶりに集まったんだ。
楽しまなきゃ。





―――――――――――


長くなるので分けます。







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