オレンジデイズ
□夏が近づいてまいりました。
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6月も下旬に入り、直射日光が辛い季節になりました。特に今日はなんとか低気圧やらなんやらで気温が急上昇だと聞いた。
あまりの暑さに短パンにTシャツで私室で一人まったり過ごしていたが、しだいに暑くなった。扇風機に当たりたくなったが、あいにく私の部屋にそんなものはない。
仕方ないので扇風機に当たりに下まで降りる。
扇風機買わないとなぁ。こんなんじゃ夏乗り切れない。今度、家電店にでもいってみるか。
リビングに入ると真理恵さんがソファーに座ってテレビを見ていた。彼女はこちらに気付いて笑顔を向ける。癒やしや。
「あら、ナノハちゃん。見て、今日今年最高気温だって!」
『うわぁ、ホントだ。』
「今年の夏は暑くなるわねぇ」
野菜腐らせないように気をつけなきゃ。いかにも主婦らしい発言に微笑んだ。
『二階も暑くて。扇風機に当たりに来ました。』
「そう言えば、ナノハの部屋に冷房器具おかなきゃね」
『だから今度下見に行ってきます。』
自分で買いますからね。と真理恵さんが言うよりも早く言葉を付け足す。
見るからにしゅんっとなって口を尖らせる彼女に拗ねてもだめです。と釘を刺しておく。
「分かったわよー。…もうこんな時間。ご飯作らなきゃ」
真理恵さんの言葉につられて時計を見ると針は16時を指していた。 あ、もうそろそろバン君が帰ってくる時間じゃないか。
そう思っていると玄関の方からガチャリと扉の開く音が聞こえてきた。
バン「ただいま。」
『「おかえりー/なさい」』
バン「あっついよ、今日」
扇風機扇風機と言いながら扇風機の前で涼んでいた私の横に座る。
バン「今この暑さとか、夏が怖いや」
真理恵「今年はクーラーが外せないわね」
『ちょっとバン君!一人締めしないでよ』
バン「えー?もう面倒くさいなぁ」
当たるようくっつけばいいんだろ?
そう言ってバン君は私の腰に手を回し、引き寄せた。
バン「ほら、涼しい」
『…逆に暑いよ…』
真理恵「あらあら」
身体が密着して肩と肩が触れる。バン君の体温を奪うように私の身体が熱くなる。少し離れたところから真理恵さんの冷やかしを受けるからもっとだ。
『離して』
バン「照れてる?」
『……』
真理恵「私のことは気にしなくていいのよ」
『あ、暑いんです!…とにかく離して!』
バン「はいはい」
あっさりと私を離してそのままお風呂入ってくる。と言って部屋をあとにする。
取り残された私は彼のせいで高くなった熱を下げるため、真理恵さんからお茶を貰おうとその場から移動した。
『お茶貰えますか』
「ふふ、お熱いわねぇ」
『ど、どーも?』
貰ったお茶を喉に通す。喉の奥が冷たくなって気持ちよかった。
「バン、意外と積極的なのね」
『嬉しいけど、やっぱ恥ずかしい…』
「もうキスはした?」
『し、してないですよっ!』
大きく手を降って否定する。
「そうなの?そこは消極的なのね」
なんだこの会話は。どこぞの学生の会話じゃないか。少なくとも恋人の親とする会話ではない。
いや、でも今は私のお母さんでもあるか。
真理恵「あの子、LBXばっかりやっていて女の子に興味持たなかったから」
でも、心配なさそうね。と真理恵さんは微笑んだ。そんなこと言われると恥ずかしくて、私もただ笑った。
夜御飯は淳一郎が居るとき以外三人で一緒に食べる。ここの家の家族みんなで食べるってスタイルが好きだ。料理が一段とおいしく感じる。
軽く雑談しながら食べていると真理恵さんがバン君に対して口を開いた。
真理恵「バン、もうすぐ修学旅行でしょ。ちゃんと準備してる?」
バン「まだ」
『え、修学旅行?』
そう言えば3年生だからそんな行事あるか。でも、6月下旬だよ?普通5月の終わりじゃないのか。この世界では6月なのか?
『修学旅行の時期遅くない?』
バン「なんか、今年は学校の諸事情で延期になって、変わりに4泊5日になった」
『どこ行くの?』
バン「…A国」
『…ほう』
ディテクターとの戦いで滞在していた国。この前までそこにいたバン君にとってはあんまり楽しみではないのかもしれない。
しかも彼はアルテミス優勝者でかなり有名人となっている。A国でさまざまなLBXプレイヤーに囲まれている姿が頭に浮かんだ。
『ジン君だって同じか』
バン「ああ、ジンはそのまま滞在するんだって」
『そんなことができるのか』
さすがお坊ちゃまと言うべきだろうか。修学旅行のついでにそこに留まるなんて初めて聞いたよ。
真理恵「早めに準備しておきなさいよ」
バン「はーい」
御飯を口に含みながら返事をする。
『一週間かぁ』
バン「寂しい?」
『いや全く。楽しんできてね。お土産よろしく』
ジェシカにも会えるじゃんと続けると彼はそうだなぁ。と少し寂しそうに答えた。
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ジン君のくだりは無理やり。
いつかジェシカを出してあげたいなー。
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