オレンジデイズ

□あなたを充電します。
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『でね、13歳なんだよ?どう思う?』

「それは可哀想だね。


お見合いする子が。」

『だよねー』


私室でバン君にマッサージをしてもらう。ほぼ毎日やってもらってるから彼もどんどん上手くなってるよ。いいことだ。


『13歳であのナルシを相手するのは酷だと思うんだよ』


私でもあのキャラについていくのは一苦労するのに。


「でも、ホントに好きになった人にはキャラが変わったりしたりね」

『まっさかー』


その可能性の想像をして笑ってしまう。
バン君が終わったよの言葉と共に手を離した。
もう少しやって欲しいなと思ったけどわざわざ時間を割いて来てくれたのだ。強く言えない。


『ありがとう。いつも悪いねー』

「疲れた」

肩を回したり、首を鳴らす。本当にバン君ってなにをやっても絵になるなー。こんなイケメンが私の恋人だと思うとなんだか気恥ずかしい気分だ。
そんなことを考えながら彼を見ているとそれに気づいたバン君が首を傾げた。


「なに?」

『いや、なんか気恥ずかしいなって』

「なにが?」

『だって、私たち付き合ってるんだよ、ね?』

「なんで疑問系なの」


顔を訝しめるバン君。

だって、付き合ってるって言ってもそれらしいことしないし、むしろ今までと変わらないし、てか話ずれてきたなこれ。


「手、繋ぐようになった」

『いや、そうなんだけどね?なんかもうマッサージとか雰囲気とかすでに熟年夫婦の域だよね。初々しさ皆無だよね』

「俺はそれでもいいけどね」


でも、と彼はにっこりと笑顔で続ける。


「初々しさなら全然あるよ?」

『どこに?』

「ナノハ、手を繋ぐとすぐ顔赤くなるよね」

『なっ!』

「あと二人きりの時、いつもより落ち着きがなくなるよね。今だって、」


顔、赤いよ?

急に距離を縮めて耳元で囁くバン君により一層体温急上昇。
恥ずかしくて離れようとしたがその前に腕を引かれて強く抱きしめられた。

し、心臓持たないっ…!


バン君は何も話さない。ただ私を抱きしめるだけ。私はまず心を落ち着かせようと彼の背中にしがみつき、何回か深呼吸をした。

徐々に落ち着きを取り戻し、そのままバン君の胸に顔を埋めるとあることに気がついた。
思わず彼に声をかける。


『バン君。』

「…なに?」

『心臓、ドキドキしてる』

「……余裕ないんだよ、俺だって」


今、どんな顔してるんだろうか。見たくて顔を上げようとしたけど、それを阻止するようにもっと強く抱きしめられた。
ちょっと苦しい。でも嫌じゃなかったのでそのまましがみついていた。


『ふふっ』

「キモイ。」

『ひどっ!』

「嘘だよ…」


彼女に向かってなんてこというの。って言ったら余裕がないって言ったじゃん。と返された。

余裕がなくて暴言吐かれるなんてたまったもんじゃないよ。


「それも愛だよ。」

『酷い愛だな。』

「そこは全部受け止めてよ」


腕を解かれて少し離れる。彼は楽しそうに笑っていた。


私は少し考えて彼に抱きついた、というか飛びついた。
突然のことにバン君は目を大きく開けてそのまま後ろに倒れこんだ。


『私の愛はどうよ。』

「これは重いわー」

『なんか体重のこと言われてるみたいで傷つくわ』

「愛の方は傷つかないの?」

『…どっちも傷つく』


クスクスと笑いながら彼は私の背中に手を回しポンポンと優しく叩いた。


「しょうがないから、全部受け止めてあげる」






―――――――――――



ただイチャイチャしてるだけ。

終わりが見えなかったので切りました。
あのあと二人は真理恵さんに呼ばれるまでイチャついています。










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